禁書「はじまりの灯火」【幕間】
文字数 571文字
広大無辺な、だだっ広い輝かしい大理石で作られた宮殿の玉座に身長2mはあるだろう大男が1人で鎮座していた。
男の髪は、手入れの行き届いたシルクを思わせる短めの金髪ポニーテールであった。彼は物悲しげに空中に映し出された映像を見つめている。
すると男は誰かから連絡を受け、映像を変えた。
その映像には、青髪のポニーテールと背丈ほどある紺色のマントが印象的な女性と、空飛ぶナポレオンフィッシュが映し出された。
それを見た彼は、はっと目を見開き、高鳴る鼓動を抑えながら呟く。
「やっとみつけました……」
しかし、その言葉の意味とは裏腹に、男はどこか遠い目をして、誰に向けるでもなく続けた。
「時がきたのですか……?それとも、準備が整ったのでしょうか……?」
男は人差し指を唇にもっていき、悩ましげな表情を浮かべる。そうして、考えがまとまったのか、指を下ろし玉座から立ち上がった。
その顔には、決意と憎悪がにじみ出ていた。
「貴方だけが特別なのではありません!僕が必ず覆してみせます!」
そう男は誰かに宣言すると、感情を露にしてしまった自分を恥じたのか、失笑して頬を緩めた。
「楽しまなくてはいけませんね……」
男は、映像を愛おしそうにもう一度だけ見つめると、純白のマントをなびかせて神々しい神殿から、薄暗い出口へと一歩一歩踏みしめるように力強く歩いていった。
男の髪は、手入れの行き届いたシルクを思わせる短めの金髪ポニーテールであった。彼は物悲しげに空中に映し出された映像を見つめている。
すると男は誰かから連絡を受け、映像を変えた。
その映像には、青髪のポニーテールと背丈ほどある紺色のマントが印象的な女性と、空飛ぶナポレオンフィッシュが映し出された。
それを見た彼は、はっと目を見開き、高鳴る鼓動を抑えながら呟く。
「やっとみつけました……」
しかし、その言葉の意味とは裏腹に、男はどこか遠い目をして、誰に向けるでもなく続けた。
「時がきたのですか……?それとも、準備が整ったのでしょうか……?」
男は人差し指を唇にもっていき、悩ましげな表情を浮かべる。そうして、考えがまとまったのか、指を下ろし玉座から立ち上がった。
その顔には、決意と憎悪がにじみ出ていた。
「貴方だけが特別なのではありません!僕が必ず覆してみせます!」
そう男は誰かに宣言すると、感情を露にしてしまった自分を恥じたのか、失笑して頬を緩めた。
「楽しまなくてはいけませんね……」
男は、映像を愛おしそうにもう一度だけ見つめると、純白のマントをなびかせて神々しい神殿から、薄暗い出口へと一歩一歩踏みしめるように力強く歩いていった。