第14話 恵那峡では「仕事」やら「花見」の誘いも

文字数 1,042文字

■日程・行先不定の車中泊の旅 ⑭
3/31日
中津川の「苗木城」から西へ、木曽川を10㌔ほど下ると「恵那峡」がある。「大井ダム」で流れを堰き止めて、ちょっとした湖を作り観光開発したようなところだが、「峡」と呼ぶほどのものではない。
恵那市民の憩いの場になっているのだろう、ボートや遊覧船を浮かべ遊園地のようなつくりになっている。周囲には観光ホテルも大小数件たっている。

一昨日からの「仕事」が続いているので、この辺を新しい「仕事場」にした。あまり電波は強くないがWi-Fiも使える。
そんな折、私の旅路を知った首都圏の友人から「花見」のお誘いを受けた。
行先は富士市苅宿のヤマザクラ「下馬桜」で、福島県三春の「滝桜」などとともに日本五大桜の一つだという。桜に特段思い入れがある訳ではないが、久しぶりでせっかくのお招きなので了解の「返事」を返した。「詳細が煮詰まったら連絡ください」と。
こう云うときあてどのない「旅」は自在だ。予定の決まった「旅行」だとこうはいかないが「旅」は臨機応変・融通無碍である(笑)

恵那峡には「かんぽの宿」があった。
一時期話題をさらったが最近はほとんど耳にしないので、てっきり廃止・売却されていたと思っていたのがしぶとく残っていたのだ。そうか!思い返せばオリックスに一括売却という案が出たが、「利益相反」などの疑念で破談となり今日に至っていたのだ。
国民の財産の一つともいえる簡易保険がその原資になってできた施設なので、「さぞ!」と思って入ったが「日帰り入浴」は締め出されていた。かんぽの宿が残っている現状の可否を断定する情報を私は持ち合わせていないが、たかが日帰り入浴、もう少し国民に目を向けてもらいたいものだと思った。
不当に安い価格で売却されないでよかったとはいえ、かんぽの宿は既に斜陽産業。天にした唾は遠からず自らの顔に落ちて来るのだろう。

かんぽの宿から締め出しを食らったが、すぐ近くにラジウム温泉があった。
結論から言うとこちらで正解だった。入浴料もプラス百円の600円。湯量も豊富で体が温まり、冷水を頭ら何度もかけて冷ますほどだった。空いてもいたので、いつもように余裕でストレッチもできた。

恵那峡には公共の無料駐車場が五ヶ所ある。日中の客も帰り、空いていたのでダム湖に一番近い第一駐車場を〝宿〟に決めた。配置も隅の一番いいところにできた。今日も気持ちよく眠ることができそうだ。友人からの「花見」の誘いも受け、旅もそろそろ終盤を迎えたかな?と思いながら寝袋に包まった。
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