第7話 駒ケ根高原で〝両手に華〟

文字数 1,242文字

■日程・行先不定の車中泊の旅 ⑦
3/24日
夕べは、思わぬ「高遠温泉」の定休日に会って、もう一泊の予定を変更して、急きょ西の南箕輪村の「大芝の湯」を目指した。
やはり風呂がなくては寝た気がしない。否、なくても"水浴び"であってもよいのだが…(笑)
私は山歩きを趣味の一つにするのだが、唯一山の「欠点」は風呂がないことである(笑)。日帰り山行だったら「下山口に温泉」というのは多いのだが、縦走中にお風呂なんてのはまずない。その点、水の豊富な飯豊連峰はうれしい。冷水をたっぷり浴びてテントにもぐり込むことができるのだ。

そんな訳でたどり着いた「大芝の湯」は、軽井沢を真似たような瀟洒な森林公園の中にあった。風呂場は広く施設も大型で、ふれあい交流センターという複合型である。料金もこの種施設では破格の500円。JAFは50円引き(笑)
お風呂では、空いていれば「真っ向体操」などの柔軟体操で一時間位いることがあるが、今日は遅いので早々に寝場所へと移動する。
「大芝の湯」の隣の大きな駐車場は空いていた。気に入った場所も見つけて、鼻唄気分?で車をバックしたら「ガシャリ!」と衝突音が走った!またやってしまった!のだ(涙)

私の危険回避の方策は、「思いがける」である。考えつくあらゆる事態を想定してことに望むと、不思議に最悪の事態が回避できる。ただ、そうしながらも悪い事態に遭うと、思いがけていない時以上に悔しさが残る。
「選挙」に身をさらしていた頃、落選の事態を「思いがけて」いた際、「勝った」夢をみてしまった。不吉な夢だったなと思ったら案の定僅差で落ちた。

「後悔不先」、いくら悔しんでも「覆水不返」。それでも同じことを繰り返すのが更に悔しい。と思っているうちに眠っていた(笑)

朝、「不快」な駐車場を後に駒ヶ根高原に向かった。
そこは宝剣岳など木曽山脈へ登る一大拠点だが、オフシーズンなので静かだ。千畳敷カールを見下ろすロープウェイの人もまばらだ。
駒が池、大沼、家族旅行村など、登山客以外も楽しめるリゾート地となっている。一通り見て廻っていたとき、なだらかな田んぼ地帯にさしかかると、東の赤石山脈(南アルプス)と西の木曽山脈(中央アルプス)が両手に広がるような景勝地に出た。周辺にさえぎるものがない。
といっても単なる田んぼのど真ん中。耕作放棄したところには、水仙が時期を見ごろに咲いていた。

今夜の宿はここだ!と即決した。大沼にもいいところがあって目星をつけてはいたが「ここにはかなわない」
しかし、耕作放棄地とは云え地主に見つかるかも知れない。そのときは「景観」に免じて許してもらおう。謝礼を要求されたら素直に応じよう(笑)と。
夕げは早めに。「両手の華」を肴に優雅な一時を過ごしたのはいうまでもない(^-^)

夜半、外気にふれようと車外に出たら、西の山の頂上近くに明かりが浮かんでいた。ロープウェイの終着点2611mの「千畳敷駅」であった。
どこかスイスで見た光景を思い出した。
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