第2話 小布施を後に

文字数 881文字

■日程・行先不定の車中泊の旅 ②
3/19日
前夜は、なぜか10時間余り寝た。初日の緊張感か?とも思えないのだが…
津南町から信州栄村に入ると、信濃川が千曲川に変わる。たったそれだけで、景色が変わるのだから不思議だ。
野沢温泉村を気づかないうちに通り過ごし、ここだったか?と思ったところは木島平村だった。

天気は穏やかに晴れ、早春真っ只中にあった。今年の深かった雪もかけ足で融ける音が聞こえてくる。
それに誘われて、昼食タイムにする。前夜からの「16時間断食」明けだ。千曲川の堤防で炊飯にした。コッヘルでの炊飯だが、焦げもなくほぼ完璧な出来栄えで、おかずは梅干しと味噌汁のみ。幕内秀夫氏流の「粗食のすすめ」である(笑)

中野市に入る新しい道は、高台の斜面を走り、眼下に千曲川沿いの家並みが見渡せる。盆地を山の斜面から見下ろすこの風景。越後ではあまり見られない景色だ。赤城山麓と利根川の河岸段丘の発達した沼田周辺にも似た風景あるが、雄大な景観で心が踊る瞬間である。
通りがかりの道の駅ではリンゴが山と積まれていた。さすが信州である。安い。ただで通り過ごす手はない。
運転しながら皮ごと丸かじりが、アッと云う間に真だけになった。うまくない訳がない(笑)

今夜の宿は?
少し早いが、気になっていた「おぶせ温泉」の「穴観音の湯」に浸かる。隣の「あけびの湯」とは一体と思っていたら、別だった。
白濁した硫黄泉で、湯船から小布施の街が眼下に広がり、彼方には「北信五岳」の妙高山、黒姫山、戸隠連山、飯綱山が並んで見える絶景だった。
駐車場にはキャンピングカー用のスペースもあって、ご親切に「お泊まりもどうぞ」とあったので、少し早い時間だが、ご厚意に甘えることにした。

※小布施は葛飾北斎と栗の街だ。北斎は充実した晩年を小布施で送ったそうだ。「大作」も現存するそうだが観たことはない。
栗は「桃栗三年…」といわれるように転作が容易で、小布施では古来より重要農産物として栽培され、徳川将軍御用達で有名になったそうだが、それ以上は知らない。見どころの多い町だが今回は先を急いだ。急ぐ旅でもないのに(笑)
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