第17話 車中泊4原則プラス2

文字数 1,519文字

■日程・行先不定の車中泊の旅 ⑰
4/2
朝6時に恵那峡の駐車場を出て自宅に着いたのが夕方6時過ぎ。12時間の長時間運転だったが、2週間分動きまわったところをたった1日足らずで戻ったのが不思議な気分であった。
国道19号線は、恵那から松本盆地の一角塩尻までが旧中山道で、そこから北の長野盆地に向かって、戸隠連山の南に連なる山を横切るとと長野市に至る。盆地や川沿いの町や村を除くと山間の道ばかりで、長野県が山脈や連山に挟まれて街が点在する県であることがよく分かる。これほど街が分断されていて県としての一体性をどう保っているのか気になるところである。

ほとんど信号のない山間の道を快適に進んだが、もう少しで長野市に入る隣り町「信州新町」で交通止めに出くわした。道の駅でう回路の情報を得たのが丁度お昼。そのまま通り過ぎようと思ったが食指が動いた。これまで全て自炊、「車中泊4原則」をほとんど完璧に守ってきたのだがどうする? 
手打ちそばの「天ざる」はまずまずだが、天ぷらの二度揚げがイマイチのような気がした。う回路を教えたくれたし、最後に「信州そば」で切り上げれば信濃へ来た証にもなる。「4原則」は、一種の戯言のたぐいなので例外があっても一向に差し支えない(笑)
ちなみに信州と信濃。文字以外に違いがあるの? という疑問が残るが、違いはないようだ。甲斐の国を甲州と呼び遠江の国を遠州と呼ぶのと同じだそうだ。

「旅友」の一人から、私が「No Restaurant」を続けているので、「キャンピングカーか?」との質問を受けた。であったら結構なのだが「普通の車」でしかない(笑)
旅の初日の日記に、私の車中泊4原則(笑)を書いた。①高速を使わない②ホテル等に泊まらない③レストラン等を利用しない(自炊)④道の駅に泊まらない。である。それにあえて二つ追加すれば、⑤普通の車で出かける。キャンピングカーを買う金が無いわけではない?(笑)が、「いかにも…」と云うのが嫌いなので、車への改造もしていない。ただ一つ中古のルーフボックスを乗せているだけ(笑) ⑥一日当りの費用≒千円。風呂代は欠かせないので残り500円足らずが食費。従ってコンビニで買えるものは、せいぜい発泡酒と豆腐、納豆で終わる。勿論お酒や米野菜、乾麺などの基礎食料は常備品として予め用意して行く。

食費代が一日五百円で、しかもほとんど毎日同じようなものを食っている。
粗食には違いないが「貧食」だとは思わない。普段「馳走」を食わされて?〝喰い過ぎ飲み過ぎ〟で体調を悪くしているより、はるかに健康食だと思っている(笑) この辺りは、大ベストセラーになった料理本「粗食のすすめ」の著者、幕内秀夫氏の影響かも知れない。当時彼と交流があったとき、彼が?みながら語った一言が忘れない。「宮崎さん、この本は二ヶ月で出来た。それ以前二年余りかけて出版した本はほとんど売れなかった。不思議なもんですね」と。前者は写真をふんだんにして簡単なレシピだけ。後者は入念に準備したそうだ。そして「粗食と云うタイトルも意外性があったのかも知れない」と語った。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」の世界である(笑)
とは言え、山に入るとき食料は一切持たず、全て現地調達のサバイバル登山家の服部文祥の足元にも及ばない。ただ、その精神だけは真似しようと心がけている(笑)

以上で「日程・行先不定の車中泊の旅」?越後から信濃~遠江方面へ?を終わります。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
結局遠江には届きませんでしたが、それは楽しみが先送りされた喜びとなります。

「旅に病で夢は枯野をかけ廻る」芭蕉、次の車中泊への架け橋です(笑)
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