第12話 独りぼっちのアザラシのうた

文字数 1,074文字

宴が終わり料理店の客たちは帰っていった。スヴェンはイヴァンと一緒に料理店の洗い物をし、店の中をきれいに掃除した。そうしたらもう夜中になっていて、森は真っ暗になっていた。

スヴェンはイヴァンの寝台に入り、イヴァンが無口なスオミ人を抱こうとすると、まったく抵抗しなかった。イヴァンは男を抱くのが初めてでどうしたら良いか分からなかったが、二人は水に入ったアザラシのようにいつの間にか自然に着物を脱いで睦み合っていた。

スヴェンはイヴァンの腕の中で、サイマー湖のアザラシの歌を歌った。

サイマーワモンアザラシはワモンアザラシの亜種であり、氷河の遺物である。世界で最も絶滅の危機に瀕しているアザラシの1つで、総個体数はわずか400頭ほど。これらのアザラシの現存する唯一の個体群は、フィンランドのサイマー湖に見られる。 ウィキペディア(英語より)
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Vanhojapoikia viiksekkäitä
サイマー湖のワモンアザラシの歌
(口ひげを生やした老人たち)

サイマー湖のワモンアザラシ

サイマー湖の島には小さなあばら屋がある
階段のところにひげを生やした男が座っている
男はハーモニカを吹き
アザラシが水を跳ね返して水面に上がってくる
波の下からアザラシは男のところにやってくる
アザラシはそのメロディを覚えているから
この歌は独りぼっちがどんなものか歌っている
アザラシはそのことをよく知っている

男は一度も結婚しなかった
花嫁は別の世界に行ってしまった
口ひげを生やした老人たち
人間もアザラシも二人とも


サイマー湖の島には小さなあばら屋がある
一生の伴侶はそこに留まらなかった
男もアザラシもずっと独りぼっちだった
パートナーとは別れる運命だった
素晴らしいサイマーだが、アザラシはわずか100頭
近い将来1頭も残っていない可能性がある
男はハーモニカを吹く
吹きたい気持ちはよくわかる

男は一度も結婚しなかった
花嫁は別の世界に行ってしまった
口ひげを生やした老人たち
人間もアザラシも二人とも


サイマー湖の島には小さなあばら屋がある
階段のところにひげを生やした男が座っている
岩の上には年老いたアザラシが乗っている
友達を深い思いやりに満ちた瞳で見つめながら

素晴らしいサイマーだが女性は
誰ひとりこの風の強い島に留まらなかった
アザラシも人間も
ここで最後のひとりになることは確実だ


男は一度も結婚しなかった
花嫁は別の世界に行ってしまった
口ひげを生やした老人たち
人間もアザラシも二人とも

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