第10話

文字数 851文字

作品32 作品名 
    『地球』

「何なんだ、あの巨大生物は。まるで、SF映画のの怪獣じゃないか」
「きっと、我々、人類の環境汚染が原因だ。異常気象も、その為に起きているに違いない」
「放射能の影響で生態系が狂ってしまったんだ」

 人類は恐れる事無く、大自然に闘いを挑んだ。テクノロジーを駆使して生きる術を模索した。
 多くの生物が絶滅していく中、人類は生き続けた。
 勝った。と思った時、本当の終焉が近づいて来ていた。

「もう、終わりだ。あんな巨大隕石、地球をかすめただけでも、全生物は死に絶えてしまう」
「まともに衝突したら、地球そのものが消滅するかも知れないぞ」

 人類は不屈の精神で闘った。
 世界中の全ての人類が、初めて一つの目的に向かって行動した。
 巨大隕石の衝突を人類のテクノロジーで回避した時、人々は神に感謝した。
 また、ある者は、人類のテクノロジーを崇め、この世界で恐れる物は何も無いと思った。

 人類の最期は、あまりに、あっけなく突然に音もなく始まった。
 僅か一年で全人類は絶滅した。

  ☆

「本日は、ようこそ、宇宙史跡巡りツアーへ、ご参加、頂き、有難うございます。間もなく、当宇宙船は太陽系を通過いたします。太陽系の第三惑星の地球には、かつて、ホモ・サピエンスという人類が住んでいました。彼らは、自らの科学力で巨大隕石の衝突を回避し、地球が消滅するのを防いだ事もあります」
「ガイドさん、今、地球には、ホモ・サピエンスは居ないんですか。何故ですか」
「はい。細菌で、あっけなく絶滅してしまいました。現在は別の種の人類が生息しています」
「それにしても、青くて美しい星ですね。ガイドさん、上陸は出来ないんですか」
「申し訳ありません。地球へは上陸できません。あのように青く美しい惑星は大抵、恐ろしい細菌だらけなのです。くれぐれも、近づき過ぎないように、御注意ください」
 (了)

758文字
※あらすじ
大宇宙の存在の中では、地球上の生命の営みも、一瞬の事でしかなく、大宇宙は、何も無かったかのように、存在し続ける。


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