14話・白い鳩

文字数 668文字

 これは雨降りの日の出来事です。

 それは私が、小雨の降る日、川沿いの喫煙所でタバコを吸っていた時の話だ。
 公園の側にある電柱に鳩が三匹とまっていた一匹は大きく柱の上に、他は電線にとまっていた。寒かろうにと見れば、3メートル程離れて、白い鳩がいた。
まるで仲間外れの様に・・・。
 その時の妄想である。

「父さん帰ってきたよ」白い鳩

「何処の誰だか、羽を白く染めやがって。
人間の所へ行った奴など知らないがな」父

「父さん、許してあげて」母

「兄さんも、反省しているのよ」妹

「バカ野郎。あんな白い羽では敵に見付かり。ご近所様に迷惑をかける事になる。
おい!お前!お前は、人間の所で仕事を貰い。
良い生活をしてたんじゃないのか?」父

「あそこは地獄だよ。最初は楽しかった。
大空に皆で羽ばたくと、人間達が歓声を挙げるんだ。スターになった気分さ。
でもね毎日、戻らなきゃならない。
しかも、いつも仕事がある訳ではないから。
殆どの日は、狭い小屋で皆でじっとしていなければならないんだ」

「それが、仕事と言うものだろう!」

「嫌なんだもう。だから逃げてきた。
お願いだ、ここに置いてくれ」

「フン、どうせまた行きてくなるさ。
離れて暮らせ、その羽の色があせるまでな」

「父さん・・・」

 とまあ、そんな話かなぁと思って。
雨降りの沈んだ空気の中で思ってました。

 翌日
白い鳩が、二匹になっていた。
えっ?!えっ?!何なの?えっ?誰?誰なの?
分かんないよ〜
勝手にキャスティングしないで、何なのよ〜
と私は混乱した。

 おわり。
次回!『独立解放組織、白い鳩、の反乱』
でお会いしましょう。(有りません)


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