10話・病院日和

文字数 635文字

 病院は体調次第
 年を取ると色々、制約があるものだ・・・。

 朝、目が覚めて外を見た。
よし!今日は晴れている、雨も降ってない、
曇りでもない寒くもない。絶好の病院日和だ。
 若い人には分からないだろう。体調が悪いから、病院に行くのでは?と思うからだ。
だが違う、毎月薬を貰い定期的に病院に行く、身分になると。病院に行くのは体調次第なのだ。
 良く巷で聞く話、

「最近見ないから病気しているのかと思った」

と病院の待合室で、年寄りが話す笑い話を。
事実なのだ。
 先月は腰が痛くて、行きたく無かったが。
整形外科に行ってから、常連の内科に何とか、タクシーで辿り着いたのだ。
 そう病院に行くのは体調次第なのだ。

 だが今日は違う絶好だ!
体調も良いし天気も良い!
あはは、行くぞ!で目が覚めた。
薄目をぼんやり開けると看護師さんが。

「気が付きました。大丈夫ここは病院ですよ」

と言った。
そうか、俺はもう死にかけているんだな。
夢で病院に行く夢を見るとは。
何とも死んでも死にきれないな。
そんな事を思って目を瞑り、意識が遠退いたところで目が覚めた。
 はっ!として、布団を蹴りやった。

「何なんだか?夢落ちの夢オチか!」

 俺はまだ若い、なんて変な夢だ。バカ野郎!
で、俺は日頃の不摂生で、こんな変な夢を見たのだなと。それから健康に気を付けた。
酒も控え、タバコも止めるように努力した。
ウオーキングも始めた。
 ある朝目が覚めると天気が良かった。
俺はこう言った。

「よし!絶好の病院日和だ。健康診断に行こう!」

と。

 終わり。
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