8話・サイキック

文字数 737文字

 サイキックと聞いて何を思い浮かべますか?
超能力と思った方、残念。アメリカドラマでは霊能者の事を指します。
 スピリチュアルなんて言葉もありますが。
あれはイギリス発祥の様で〜。


 サイキック、その1
 私の名は服部久善。サイキックだ。
断じてメンタリストではない。
私は霊能力で過去や未来を当てるのが商売だ。
決して騙したりはしていない。
 皆、感謝して帰ってゆく。私は、この能力のお陰で金持ちだ。今日もお客が予約を取ってやって来た。
 では適当に、いや真剣にお相手しよう。

「どうなさいました?いや、言わないで。
あなたの傍に、女性が見えます」

「母です!私は母の事を相談に来たのです」

「そうですかご安心下さい。お母様はあなたを許すと仰有ってます。天国であなたの幸せを、願っていると」

「えっ?母はまだ、生きてます」

 しまった間違った・・・。
大抵、死んだと思うだろう・・・。
 たまにこう言う、嫌がらせな客も来るのだ。


 サイキック、その2
 私の名は傘無裕二。サイキックだ。
昔はメンタリストをやっていた。
だが嫁の早苗のお母様が、サイキックで。
そこで修業をして、サイキックに格上げしたのだ。私は大学講師も辞めて、早苗の勤める占いの館で。早苗の隣のブースで、サイキック占いをしていた。
 体力を消耗するので高額だが。テレビに紹介されるほど、よく当たる。
従って客足も絶えない。今日も顔色の悪い、
女の人が私の所にやって来た。

「どうなさいました?」

 すると彼女は、病的な笑いをたたえて。

「私の母について占って頂こうかと。あなた、何でも当てるんですよね」

「はい、何でもとはいきませんが大体の事は」

私は彼女の手を握った。彼女に質問しながら、反応を見る為だ。
 断じて言う、私はメンタリストではない!

 次のページに続く!
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み