君を探して⑪

文字数 175文字

 寂しさに耐えかねて咲いた雪の花があった。道行く人の目に届くよう、太陽を目指して精一杯に咲いた、一輪の花。しかしながら寂れた細道に人通りはなく、一輪の花に視線を注ぐ人は、たった一人も通らなかった。落ち込む、雪の花。けれど、花開いた喜びは雪の花にとって強く、また、雪の花自身を強くした。生きて行こう、この命、枯れるまで。花は今日も太陽を目指して、咲く。
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