第16話

文字数 816文字

 理由もなく体調不良になるときがある。
 もう年だからという理由はそろそろ許されるだろうか。
 運動が嫌いで、基本動かない生活をしているせいか、肩こり腰痛は日常茶飯事だ。

「気持ち悪い……」

 確実に肩こりのせいだろう。
 こういう日は何もできない。せめて少しでも肩こりを軽減させようと湯船にゆっくりつかり、肩こりに効くストレッチを動画で調べてするくらいだ。
 いつものように動画を見る気力もない。

「今日はもう寝てしまおう」

 肩こりは酷くなると頭痛や吐き気も症状として出てくる。
 今回は吐き気の症状がある。
 こんな状態になっても改善しようとしない。適度な運動をするべきことは分かっているが、どうしても「面倒」が前面に出てしまう。
 こうして症状が出たときは、その場しのぎでストレッチをしたり、ゆっくりとお風呂に入ったりするが、症状が改善すれば、すぐに今までと変わらない生活に戻ってしまう。
 ダイエットもそうだが、頑張りたいと思っても、どうしても継続することができない。 いったいどうすれば、継続し続けることができるのだろうか。
 このまま肩こりが酷いままなら仕事を休むざるを得ない場合もでてくる。これまでも肩こりからの頭痛や吐き気で仕事を休んだことがある。
 せっかくの有給をこんなことで使いたくない。分かっているのに、改善することができない。

「改善するいい方法ないかしら……」

 それを調べるためにパソコンモニタを眺めたり、スマホを見たりするのだから、肩こりが治るはずもない。
 肩こりが酷くなれば、整体に行かないといけなくなる。それはつまりお金がいるということだ。こういうことにお金を使いたくないなら、少しでも肩こりが軽減する努力をするべきなのだ。

「とりあえず、寝よう」

 気持ち悪くて考えがまとまらない。
 そうして、面倒なことは後回しにしてしまう。こうして、やらないといけないことがたまっていくのだ。それに気付かないふりをして、寝るために目を閉じた。
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