第40話

文字数 831文字

 冬の電気代は一時期高くなっていた。想像以上の値段に驚いたのを覚えている。
 あのときは、ショックで平日以外は図書館に引きこもっていた。そのおかげで翌月からの電気代はいつもと変わらない金額に戻ってくれた。
 そして、夏がやってくる。冷房を使い続ける日々が始まる。
 平日昼間は仕事に出ているため問題ないが、夜は気温によっては冷房をつけないと、寝付けないだろうし、熱中症になる可能性も出てくる。

「少しでも節約したいけど……」

 さすがに冷房を付けない選択はない。命に関わる。

「やっぱり休みの日は図書館で過ごすのがいいかな」

 近所にある図書館は予約式だが、勉強できるスペースが多く用意されている。勉強をするつもりはないが、本を読むことは可能だ。
 目的なく家で動画を見ているくらいなら、涼しい図書館で読書をしているほうがいいだろう。 夏に向けて図書館での快適な過ごし方を調べるのがいいかもしれない。集中力があまりよくないので、何時間も本を読み続けることはできない。
 空腹も感じるだろうし、水分補給も必要だ。いろいろ準備が必要かもしれない。それでも、空調がしっかりとされ、自由に使える施設があることはいいことだ。駅のそばにあるため、炎天下の中、駅前まで移動しないといけないのがネックだろう。

(夏までに体力付けておかないと、絶対倒れる……)

 それが嫌なら一日冷房を付けた部屋にいればいいのだが、それだと電気代がかさむ。
 何かを犠牲にしなければいけないが、外に出ることは健康のためにもいいはずだし、電気代の節約にもある。いいことばかりだ。

(夏に何か勉強をするのもいいかもしれないし、副業のための調べ物や準備をするのもいいかもしれない)

 今のところ、家で動画を見る以外に休日にやることは殆どない。それならば、もう少し効率的に行動もできるかもしれない。
 副業はまだ何をどうすればいいかすら分かっていない。最初の一歩すら踏み出せていないが、この夏にその一歩を踏み出すのもいいかもしれない。
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