3話 警備省大臣会見、忍び寄る悪意
文字数 2,240文字
冴木はオフィスにあった制服に着替えていた。
やがて王お抱えの美容師が訪れ、髪にワックスをつけ七三イケメン風に整えられる。
冴木の隣には女ケンタウロスことアルバが冴木と同じく制服を着て休息を取っている。
「アルバさん……あの俺は具体的に何をすれば?」
「冴木は王様が紹介したあと礼をし今後の抱負を言えばいいのですよ。ちなみに私は副大臣なのでその紹介もお願いします」
冴木はそれを聞くと手のひらに人を書き飲み込む。緊張を和らげようとするのだがそれは効果がないみたいだ。
「おー。しっかりと身なりを整えたな冴木。さてはてそろそろ時間かな。行こうぞ」
カイゼルはそう言うと城のバルコニーへ。
その瞬間、前室でついていたテレビに王様の姿が。
それとほぼ同時に耳を塞ぎたくなるほどの大きな歓声が鳴り響く。
その歓声はやがてカイゼルコールへと変化していく
「ごほん!! 今日は私から重大な知らせを我が国民へ伝えようと思う」
カイゼルはその前置きとして冴木に昨日話したことを国民全員に演説し始めた。
冴木はその様子を見て王様が本物だということを改めて感じた。
「うん……?」
「どうしたんです冴木」
「これってここの兵士なんだよな?」
冴木がそう言うとテレビ画面の右の部分。王様の右に立つ甲冑を着た兵士を指差す。
「そうですよ。どうかしましたか?」
「いや……今短刀みたいなのを持っていた気が…………ほら!!」
「ほんとだ……助けなければ」
アルバはそう言うと慌てて席を立つ、冴木はアルバの手を掴みそれを静止。
「無闇に動くと危ない……俺が行く」
「ですが……」
「大丈夫任せてくれ」
冴木はそう告げるとゆっくり席を立った。
そしてテレビに映る画面外からバルコニーに出ると、右の兵士をすぐ抑え込める距離へ。
「勘違いだったらいいんだが……」
冴木はそう呟きながら神に願いを込める。が、しかしそんな願いを叶えるほど神は暇ではないらしい。
カイゼル王の話が終盤になり、いよいよ警備省の大臣を発表と言うとき右の兵士は動き出した。
「カイゼル!! 死ねぇぇ!!!!」
兵士はその叫び声と共に短刀を振りかざす。その反動で被っていた兜が鈍い金属音を立てて後ろへ。
「お主!! ユリウス!! 何故じゃ」
カイゼルはそれに腰が引けその場に倒れる。優位に立つユリウスはそのまま短刀をカイゼルに振り下ろした。
カイゼルは咄嗟に目をつぶり腕を前に。しかし、その短刀がカイゼルを突き刺すことはなく、ユリウスの体が何者かに抑えられ動かなくなる。
「誰だっ!!」
「おお!! 冴木!!」
カイゼルは助けが来たと安堵の表情をする。
「冴木……お前が俺の代わりに警備省の大臣に任命されたクズか!!」
ユリウスの怒りは怒りを産んだきっかけ、冴木へ向けられる。
ユリウスは短刀を振り回し、押さえつけている冴木を自分の体から引っはがす。
冴木は間一髪距離を取り致命傷を受けずに済むが、冴木は丸腰。明らかに部が悪い。
ユリウスと冴木はお互いに距離を取りつつ隙を見図る。
先に動き出したのはユリウス。短刀を前に突き出しながら突進。冴木は右に避け短刀を持つユリウスの右手を右手で掴み左手でたたき落とす。
続いて後手に回ったユリウスの後ろに回る。
「こんな甲冑着てたら投げられないからな」
冴木はユリウスの首にしがみつき全体重をかけ羽交い締めに。ユリウスは後ろからかかる冴木の体重にそのまま倒れた。
「確保じゃっっ!!」
カイゼルの一声にそれを傍観していた周りの兵士が全員動き出し、ユリウスに乗りかかる。
冴木はその間を縫ってその場から這い出た。
「よくやったの!!」
「ありがとうございます」
カイゼルは立ち上がると再びマイクを持ち国民全員に無事なことをアピール。
「では紹介しよう!! たった今ワシの暗殺を阻止した男。新設される警備省大臣サエキケンタ!! 拍手で出迎えてくれ」
すると、城のバルコニーから会見を見ていた国民が盛大な拍手を送る。そしてカイゼルもその輪に加わり、目線で冴木に合図。
冴木はゆっくりと前へ。そしてマイクの前で立ち止まる。
「えー……」
冴木がマイクに声をかけた瞬間、軍隊のようにその盛大な拍手は止み、王を救った英雄、警備省大臣の言葉を聞こうと耳を澄ます。
「はじめまして……えー、新設されました警備省の大臣に任命された冴木健太です」
冴木はそこまで言うと一旦震える声を落ち着かせようと口を止める。
ふと後ろを見ると、さっきまで前室にいたアルバが横で堂々とした姿勢で立っていた。
冴木はすぐにアルバを見習い胸を張り腕を後ろに組んだ。
「私の横にいるのは警備省副大臣のアルバです」
冴木はすぐにアルバの方を見て確認。アルバは口パクで抱負と言う。
「私は……えー。王様の言っていた通り修繕が必要な道路などを工事する際の警備を行います。国民の皆様に迷惑をかけることがあるかと思いますが是非ご協力ください……。えー……この国の繁栄のために!!」
冴木はやり切ったという清々しい表情をし頭を下げ一礼すると一歩後ろへ。
すると同時に盛大な拍手、歓声、喝采が鳴り響いた。
「ではこれで会見を終わりにする!!」
カイゼルのその声に会見は終了した。
やがて王お抱えの美容師が訪れ、髪にワックスをつけ七三イケメン風に整えられる。
冴木の隣には女ケンタウロスことアルバが冴木と同じく制服を着て休息を取っている。
「アルバさん……あの俺は具体的に何をすれば?」
「冴木は王様が紹介したあと礼をし今後の抱負を言えばいいのですよ。ちなみに私は副大臣なのでその紹介もお願いします」
冴木はそれを聞くと手のひらに人を書き飲み込む。緊張を和らげようとするのだがそれは効果がないみたいだ。
「おー。しっかりと身なりを整えたな冴木。さてはてそろそろ時間かな。行こうぞ」
カイゼルはそう言うと城のバルコニーへ。
その瞬間、前室でついていたテレビに王様の姿が。
それとほぼ同時に耳を塞ぎたくなるほどの大きな歓声が鳴り響く。
その歓声はやがてカイゼルコールへと変化していく
「ごほん!! 今日は私から重大な知らせを我が国民へ伝えようと思う」
カイゼルはその前置きとして冴木に昨日話したことを国民全員に演説し始めた。
冴木はその様子を見て王様が本物だということを改めて感じた。
「うん……?」
「どうしたんです冴木」
「これってここの兵士なんだよな?」
冴木がそう言うとテレビ画面の右の部分。王様の右に立つ甲冑を着た兵士を指差す。
「そうですよ。どうかしましたか?」
「いや……今短刀みたいなのを持っていた気が…………ほら!!」
「ほんとだ……助けなければ」
アルバはそう言うと慌てて席を立つ、冴木はアルバの手を掴みそれを静止。
「無闇に動くと危ない……俺が行く」
「ですが……」
「大丈夫任せてくれ」
冴木はそう告げるとゆっくり席を立った。
そしてテレビに映る画面外からバルコニーに出ると、右の兵士をすぐ抑え込める距離へ。
「勘違いだったらいいんだが……」
冴木はそう呟きながら神に願いを込める。が、しかしそんな願いを叶えるほど神は暇ではないらしい。
カイゼル王の話が終盤になり、いよいよ警備省の大臣を発表と言うとき右の兵士は動き出した。
「カイゼル!! 死ねぇぇ!!!!」
兵士はその叫び声と共に短刀を振りかざす。その反動で被っていた兜が鈍い金属音を立てて後ろへ。
「お主!! ユリウス!! 何故じゃ」
カイゼルはそれに腰が引けその場に倒れる。優位に立つユリウスはそのまま短刀をカイゼルに振り下ろした。
カイゼルは咄嗟に目をつぶり腕を前に。しかし、その短刀がカイゼルを突き刺すことはなく、ユリウスの体が何者かに抑えられ動かなくなる。
「誰だっ!!」
「おお!! 冴木!!」
カイゼルは助けが来たと安堵の表情をする。
「冴木……お前が俺の代わりに警備省の大臣に任命されたクズか!!」
ユリウスの怒りは怒りを産んだきっかけ、冴木へ向けられる。
ユリウスは短刀を振り回し、押さえつけている冴木を自分の体から引っはがす。
冴木は間一髪距離を取り致命傷を受けずに済むが、冴木は丸腰。明らかに部が悪い。
ユリウスと冴木はお互いに距離を取りつつ隙を見図る。
先に動き出したのはユリウス。短刀を前に突き出しながら突進。冴木は右に避け短刀を持つユリウスの右手を右手で掴み左手でたたき落とす。
続いて後手に回ったユリウスの後ろに回る。
「こんな甲冑着てたら投げられないからな」
冴木はユリウスの首にしがみつき全体重をかけ羽交い締めに。ユリウスは後ろからかかる冴木の体重にそのまま倒れた。
「確保じゃっっ!!」
カイゼルの一声にそれを傍観していた周りの兵士が全員動き出し、ユリウスに乗りかかる。
冴木はその間を縫ってその場から這い出た。
「よくやったの!!」
「ありがとうございます」
カイゼルは立ち上がると再びマイクを持ち国民全員に無事なことをアピール。
「では紹介しよう!! たった今ワシの暗殺を阻止した男。新設される警備省大臣サエキケンタ!! 拍手で出迎えてくれ」
すると、城のバルコニーから会見を見ていた国民が盛大な拍手を送る。そしてカイゼルもその輪に加わり、目線で冴木に合図。
冴木はゆっくりと前へ。そしてマイクの前で立ち止まる。
「えー……」
冴木がマイクに声をかけた瞬間、軍隊のようにその盛大な拍手は止み、王を救った英雄、警備省大臣の言葉を聞こうと耳を澄ます。
「はじめまして……えー、新設されました警備省の大臣に任命された冴木健太です」
冴木はそこまで言うと一旦震える声を落ち着かせようと口を止める。
ふと後ろを見ると、さっきまで前室にいたアルバが横で堂々とした姿勢で立っていた。
冴木はすぐにアルバを見習い胸を張り腕を後ろに組んだ。
「私の横にいるのは警備省副大臣のアルバです」
冴木はすぐにアルバの方を見て確認。アルバは口パクで抱負と言う。
「私は……えー。王様の言っていた通り修繕が必要な道路などを工事する際の警備を行います。国民の皆様に迷惑をかけることがあるかと思いますが是非ご協力ください……。えー……この国の繁栄のために!!」
冴木はやり切ったという清々しい表情をし頭を下げ一礼すると一歩後ろへ。
すると同時に盛大な拍手、歓声、喝采が鳴り響いた。
「ではこれで会見を終わりにする!!」
カイゼルのその声に会見は終了した。