2話 警備のスペシャリスト
文字数 2,082文字
「よしよし。では入れ!!」
カイゼルの大きな声が部屋の外まで響き渡った。
すると部屋が開き、何かが入ってきた。
馬の蹄の特徴的な音と共に入ってきたのはケンタウロス。しかも女性のケンタウロスだった。
馬の胴体に肌色の美しい女体がくっ付いている。
「この方が私の上司にあたるお方ですか?」
「そうじゃアルバ。冴木と申す。冴木よ、このアルバをお前の移動手段兼世話役兼部下に置く。よろしく頼むぞ」
「は、はい……」
冴木は完全に見とれていた。アルバと呼ばれたその女ケンタウロス。綺麗に手入れされた馬の体に、豊満な胸、着ているのは鉄の胸当てだけで丸見えの綺麗なへそ。それに金髪の英国美女の顔つき、青い瞳がとても美しい。
「アルバと申します。これからどうぞよろしくお願いします」
アルバは冴木の前で膝まづき頭を下げた。
「早速だが、アルバ。冴木に部屋を案内してくれ、私は明日の会見の準備をしなくてはならん」
「分かりました。冴木。着いてきてください」
「はい」
アルバを先頭に冴木は部屋を出た。そしてそのまま王室も出て広く天井の高い通路へ。
「では、冴木の部屋を案内します」
アルバはそう言うと入り組んだ通路を進んで行く。冴木ははぐれまいとアルバの後ろを歩くが、アルバの揺れる尻に目が行く。
「ここです」
「は、はい」
アルバが開けた部屋はまさに英国貴族が住むような豪華な部屋。
冴木が中に入るとドアは自動的に閉まり、少し散らかった部屋内も箒がひとりでに動き清掃を始める。
「この部屋は魔法による自動ロック機能、清掃機能もついた最上ランクの部屋です。我が国の大臣のみが生活できる部屋です。この部屋に明日から始動する警備省の警備省室と直結するドアがあります」
アルバはそう言うとそのまま部屋の右奥へと進んでいく。
そして立ち止まった場所にはドアが。
アルバはそのドアを開けた。するとまた新しい部屋が。そこは今の部屋とは違いまさに仕事をするためのオフィスで、机が5台 椅子が5脚揃っていた。
「まだ警備省は私と冴木の2人ですが今後人員が増えていく可能性もあるため5組ずつ用意されています」
「あれ、誘導棒もある」
「ああ。これは冴木がいた世界を観察していた魔法神官が手配したものです。自由に使ってもらって構いません」
冴木はオフィス内に入り、色々と見て回る。
大きな開かれたダンボールの中には誘導棒が。それに黄色い大旗や赤白の手旗。それに加え体験のような誘導棒など様々な警備用品が備えられていた。
上のダンボールを机の上に起き、下の箱を開けてみる。
「これは?」
冴木は制服と思わしきものをアルバに見せ尋ねる。
「それは警備省の制服です。冴木の着ている服を参考に我が国のデザイナーに頼み作ったものです。明日の会見ではそれを着用してもらいます」
冴木はさらに残っていたダンボールも開いて中身を見る。
中には警棒などの施設警備に使用するものが。
「これは何に?」
「それは建物の補修工事時に建物内の警備に使います。また外国からの要人の警備にも使用するとのことです」
「なんか本格的だな……うん、てかさっき会見とか言ってた?」
「はい。冴木には明日王様が開かれる会見に出席してもらいます。そこで正式に警備省の設立と大臣の任命式を行い国民にその存在を公表する運びとなっております」
「なるほど……なんか緊張したきた……」
「今日は自室の方でゆっくりお休みになり明日から警備省の業務を行っていただきます。何か御用がありましたら部屋の電話で101を押して頂ければ隣の部屋にいる私に繋がりますので」
アルバはそう言うと頭を下げそのまま部屋を後にした。
「とりあえず。明日からなんとかやって行こう。しかし、これは暫く戻れそうにないな。現実世界に何の未練もなくて良かった」
冴木はそう言うと自室へと戻った。
冴木は現実世界で恋人もおらず、両親も田舎で暮らしているため困るようなことは何もなかった。
冴木は自室のフカフカな椅子に座ると目の前にある鏡で自分の格好を確認した。
「警備服着たままか」
そして胸ポケットに入っていた名刺入れを取り中身を手にし空になった名刺入れを机の上に置く。
「ここじゃ、この資格もなんの意味もないな」
冴木はそのカードを眺めながらそう呟いた。
冴木が持っていたのは警備業の資格認定証。
上から施設警備業務検定1級、施設警備業務検定2級、交通誘導警備業務検定1級、交通誘導警備業務検定2級、雑踏警備業務検定1級、雑踏警備業務検定2級、貴重品運搬警備業務検定1級、貴重品運搬業務警備業務検定2級、核燃料輸送警備業務検定1級、核燃料輸送警備業務検定2級、空港保安警備業務検定1級、空港保安警備業務検定2級、機械警備業務管理者の資格認定証。
彼は警備のスペシャリスト。明日からいよいよこの異世界での警備員の日々がスタートする。
カイゼルの大きな声が部屋の外まで響き渡った。
すると部屋が開き、何かが入ってきた。
馬の蹄の特徴的な音と共に入ってきたのはケンタウロス。しかも女性のケンタウロスだった。
馬の胴体に肌色の美しい女体がくっ付いている。
「この方が私の上司にあたるお方ですか?」
「そうじゃアルバ。冴木と申す。冴木よ、このアルバをお前の移動手段兼世話役兼部下に置く。よろしく頼むぞ」
「は、はい……」
冴木は完全に見とれていた。アルバと呼ばれたその女ケンタウロス。綺麗に手入れされた馬の体に、豊満な胸、着ているのは鉄の胸当てだけで丸見えの綺麗なへそ。それに金髪の英国美女の顔つき、青い瞳がとても美しい。
「アルバと申します。これからどうぞよろしくお願いします」
アルバは冴木の前で膝まづき頭を下げた。
「早速だが、アルバ。冴木に部屋を案内してくれ、私は明日の会見の準備をしなくてはならん」
「分かりました。冴木。着いてきてください」
「はい」
アルバを先頭に冴木は部屋を出た。そしてそのまま王室も出て広く天井の高い通路へ。
「では、冴木の部屋を案内します」
アルバはそう言うと入り組んだ通路を進んで行く。冴木ははぐれまいとアルバの後ろを歩くが、アルバの揺れる尻に目が行く。
「ここです」
「は、はい」
アルバが開けた部屋はまさに英国貴族が住むような豪華な部屋。
冴木が中に入るとドアは自動的に閉まり、少し散らかった部屋内も箒がひとりでに動き清掃を始める。
「この部屋は魔法による自動ロック機能、清掃機能もついた最上ランクの部屋です。我が国の大臣のみが生活できる部屋です。この部屋に明日から始動する警備省の警備省室と直結するドアがあります」
アルバはそう言うとそのまま部屋の右奥へと進んでいく。
そして立ち止まった場所にはドアが。
アルバはそのドアを開けた。するとまた新しい部屋が。そこは今の部屋とは違いまさに仕事をするためのオフィスで、机が5台 椅子が5脚揃っていた。
「まだ警備省は私と冴木の2人ですが今後人員が増えていく可能性もあるため5組ずつ用意されています」
「あれ、誘導棒もある」
「ああ。これは冴木がいた世界を観察していた魔法神官が手配したものです。自由に使ってもらって構いません」
冴木はオフィス内に入り、色々と見て回る。
大きな開かれたダンボールの中には誘導棒が。それに黄色い大旗や赤白の手旗。それに加え体験のような誘導棒など様々な警備用品が備えられていた。
上のダンボールを机の上に起き、下の箱を開けてみる。
「これは?」
冴木は制服と思わしきものをアルバに見せ尋ねる。
「それは警備省の制服です。冴木の着ている服を参考に我が国のデザイナーに頼み作ったものです。明日の会見ではそれを着用してもらいます」
冴木はさらに残っていたダンボールも開いて中身を見る。
中には警棒などの施設警備に使用するものが。
「これは何に?」
「それは建物の補修工事時に建物内の警備に使います。また外国からの要人の警備にも使用するとのことです」
「なんか本格的だな……うん、てかさっき会見とか言ってた?」
「はい。冴木には明日王様が開かれる会見に出席してもらいます。そこで正式に警備省の設立と大臣の任命式を行い国民にその存在を公表する運びとなっております」
「なるほど……なんか緊張したきた……」
「今日は自室の方でゆっくりお休みになり明日から警備省の業務を行っていただきます。何か御用がありましたら部屋の電話で101を押して頂ければ隣の部屋にいる私に繋がりますので」
アルバはそう言うと頭を下げそのまま部屋を後にした。
「とりあえず。明日からなんとかやって行こう。しかし、これは暫く戻れそうにないな。現実世界に何の未練もなくて良かった」
冴木はそう言うと自室へと戻った。
冴木は現実世界で恋人もおらず、両親も田舎で暮らしているため困るようなことは何もなかった。
冴木は自室のフカフカな椅子に座ると目の前にある鏡で自分の格好を確認した。
「警備服着たままか」
そして胸ポケットに入っていた名刺入れを取り中身を手にし空になった名刺入れを机の上に置く。
「ここじゃ、この資格もなんの意味もないな」
冴木はそのカードを眺めながらそう呟いた。
冴木が持っていたのは警備業の資格認定証。
上から施設警備業務検定1級、施設警備業務検定2級、交通誘導警備業務検定1級、交通誘導警備業務検定2級、雑踏警備業務検定1級、雑踏警備業務検定2級、貴重品運搬警備業務検定1級、貴重品運搬業務警備業務検定2級、核燃料輸送警備業務検定1級、核燃料輸送警備業務検定2級、空港保安警備業務検定1級、空港保安警備業務検定2級、機械警備業務管理者の資格認定証。
彼は警備のスペシャリスト。明日からいよいよこの異世界での警備員の日々がスタートする。