5話 ゴブリン水道
文字数 1,627文字
冴木、アルバ、タケヤマはなんとか無事に国道1号を渡りきり、タケヤマが社長を務めるゴブリン水道へたどり着いた。相当昔からある会社であることが建物の風貌からわかった。
「社長ぉぉ!! よくぞご無事で」
駆け寄ってきたのはゴブリン水道に務める作業員であろうゴブリン。
「今帰ったぞ!!」
タケヤマがそう言うと、建物から続々と総勢20名ほどのゴブリンが出てきた。
「早速明日だが、国道1号の水道工事をすることになった」
タケヤマがそう言うと社長の帰還に盛り上がっていたゴブリン達は一気に静まり返りヒソヒソと話し始める。
冴木の目に包帯を巻いているゴブリンが何人かいるのが見えた。おそらくタケヤマが言っていた、工事中に轢かれたゴブリンだろう。
「お前ら!! 今回は大丈夫じゃ。中継で見ていただろうが警備省の大臣さんと副大臣さんが直々に警備を行ってくれる」
タケヤマのその発言に静まり返っていたゴブリン達は一気に盛り返した。
「随分単純だな……」
「冴木大臣。なんか一言かけてやってくれ」
「えー。君達は俺が責任もって警備するから自分の仕事に集中してください」
「「はいっ」」
「よし。大臣さん副大臣さん、汚いですが中へ。明日の打ち合わせを」
タケヤマに案内され冴木とアルバは早速2階の事務所の中へ。タケヤマの言った通り多少壁が汚れていたり、床にシミがついていたりしたが物などはしっかりと整理されていた。
冴木は事務所内のソファーの上に座るとタケヤマが巻物のように丸められた図面を持ってやって来た。
そしておもむろに机の上に図面を開いて見せた。
「今回は新設ではなく既設の水道管の補修工事だ。かかっても3時間くらいだろうな」
「手順としては穴を掘って、水道管を取り替えてまた埋めるって感じですかね?」
「おお!! よく分かってるじゃねぇか大臣さん」
「まあ、よく見てきたので」
「工事は大臣さんの言う通りの工程で行う。国道はアスファルトが硬いから穴掘りに少し時間が取られるかもだがそれは仕方ないとして掘る穴の大きさなんだが……」
「どれ位の長さの水道管を交換するんすか?」
「ちょっと待っててくれ」
タケヤマはそう言うと階段を降りていった。
少しすると階段をかけ登る音がしてタケヤマが戻ってきた。
タケヤマの両手には灰色の長い筒が。
「ちょっと見せてもらっても?」
「ああ」
冴木はタケヤマから長い筒を受け取ると触って確かめる。
「これは向こうで使ってるのと同じみたいだな。ポリエチレン?」
「ああそうだ。テレビの中継も見てたが、冴木さんやっぱ凄いな」
「いやいや。タケヤマさん続きを」
「この筒を1m交換するんだが、掘る穴はどれ位がいいと思う?」
「1・5四方くらいでいいんでは?」
「だな。だが念のため少し大目に穴は広げておこう。そういや警備って言うが何を使ってやるんだ?」
「ああ、アルバさん」
冴木はアルバにそう言うと、アルバは背中に背負っていた鞄を器用に両手で持つと鞄を開いた。
「この誘導棒という棒を使ってやるようです。魔法が込められていてスイッチを押すと暗闇で赤く点灯する仕組みですね」
アルバはそう言いながら誘導棒を実際に点灯させ実演した。
「こんなので出来るのか。なるほどな」
「あー、あの規制する車線っていうのはケンタウロスのレーンですよね?」
「いや。ケンタウロスの1個隣、真ん中のレーンだ」
「は?」
「どうした?」
「あ、いやこっちだと大体歩道側が多いので」
「なるほどな。結構適当なんだよ。とりあえず明日の朝出発だ。車両はユンボを載せたトラックと空のトラック、材料を載せたトラックの3台で作業員は俺を含めた8人で行う」
「わかりました」
「では私達は一旦城へ」
「わかった。明日の朝8時にここへ来てくれ」
「社長ぉぉ!! よくぞご無事で」
駆け寄ってきたのはゴブリン水道に務める作業員であろうゴブリン。
「今帰ったぞ!!」
タケヤマがそう言うと、建物から続々と総勢20名ほどのゴブリンが出てきた。
「早速明日だが、国道1号の水道工事をすることになった」
タケヤマがそう言うと社長の帰還に盛り上がっていたゴブリン達は一気に静まり返りヒソヒソと話し始める。
冴木の目に包帯を巻いているゴブリンが何人かいるのが見えた。おそらくタケヤマが言っていた、工事中に轢かれたゴブリンだろう。
「お前ら!! 今回は大丈夫じゃ。中継で見ていただろうが警備省の大臣さんと副大臣さんが直々に警備を行ってくれる」
タケヤマのその発言に静まり返っていたゴブリン達は一気に盛り返した。
「随分単純だな……」
「冴木大臣。なんか一言かけてやってくれ」
「えー。君達は俺が責任もって警備するから自分の仕事に集中してください」
「「はいっ」」
「よし。大臣さん副大臣さん、汚いですが中へ。明日の打ち合わせを」
タケヤマに案内され冴木とアルバは早速2階の事務所の中へ。タケヤマの言った通り多少壁が汚れていたり、床にシミがついていたりしたが物などはしっかりと整理されていた。
冴木は事務所内のソファーの上に座るとタケヤマが巻物のように丸められた図面を持ってやって来た。
そしておもむろに机の上に図面を開いて見せた。
「今回は新設ではなく既設の水道管の補修工事だ。かかっても3時間くらいだろうな」
「手順としては穴を掘って、水道管を取り替えてまた埋めるって感じですかね?」
「おお!! よく分かってるじゃねぇか大臣さん」
「まあ、よく見てきたので」
「工事は大臣さんの言う通りの工程で行う。国道はアスファルトが硬いから穴掘りに少し時間が取られるかもだがそれは仕方ないとして掘る穴の大きさなんだが……」
「どれ位の長さの水道管を交換するんすか?」
「ちょっと待っててくれ」
タケヤマはそう言うと階段を降りていった。
少しすると階段をかけ登る音がしてタケヤマが戻ってきた。
タケヤマの両手には灰色の長い筒が。
「ちょっと見せてもらっても?」
「ああ」
冴木はタケヤマから長い筒を受け取ると触って確かめる。
「これは向こうで使ってるのと同じみたいだな。ポリエチレン?」
「ああそうだ。テレビの中継も見てたが、冴木さんやっぱ凄いな」
「いやいや。タケヤマさん続きを」
「この筒を1m交換するんだが、掘る穴はどれ位がいいと思う?」
「1・5四方くらいでいいんでは?」
「だな。だが念のため少し大目に穴は広げておこう。そういや警備って言うが何を使ってやるんだ?」
「ああ、アルバさん」
冴木はアルバにそう言うと、アルバは背中に背負っていた鞄を器用に両手で持つと鞄を開いた。
「この誘導棒という棒を使ってやるようです。魔法が込められていてスイッチを押すと暗闇で赤く点灯する仕組みですね」
アルバはそう言いながら誘導棒を実際に点灯させ実演した。
「こんなので出来るのか。なるほどな」
「あー、あの規制する車線っていうのはケンタウロスのレーンですよね?」
「いや。ケンタウロスの1個隣、真ん中のレーンだ」
「は?」
「どうした?」
「あ、いやこっちだと大体歩道側が多いので」
「なるほどな。結構適当なんだよ。とりあえず明日の朝出発だ。車両はユンボを載せたトラックと空のトラック、材料を載せたトラックの3台で作業員は俺を含めた8人で行う」
「わかりました」
「では私達は一旦城へ」
「わかった。明日の朝8時にここへ来てくれ」