12.クリスマス会

文字数 2,505文字



 楼ケ崎、なな、かほりの3人はゆかりを連れ、サーミャとクミコが言い争いをしているところに駆け付けました。



[クミコ]

何ですか、あなたたちは!

[クミコ]

ゆかりっ……何であんたそこにいんのよ

[楼ケ崎 條二]

彼女、一体何をしようとしてました?

[サーミャ・ガーファンクル]

コノ子、謎ヲ解イタミタイナンデスヨ

スゴイヨ~~

[山ノ下 かほり]

(真紅の女王に口外するなって言われたから謎とかそういうこと言わないでっ)



 かほりはサーミャに目配せしました。



[クミコ]

わたし、最後の答えを伝えに行くから

それじゃあ



 部屋Bへ向かおうとするクミコを、あなたたちは囲みました。



[クミコ]

わたしはゆかりより先に謎を解かなきゃいけないのよ

[坂上 なな]

競争してたの?



 ゆかりはばつが悪そうにかほりの顔を見ます。



[山ノ下 かほり]

ゆかり、どういうことなの?

[ゆかり]

クミコちゃんはいつもわたしに張り合ってきて……今回もどっちが先に謎を解くか勝負してたの

[サーミャ・ガーファンクル]

ソレヨリ別ノ問題デ勝負シナイ?

サッキ書斎ニなぞなぞノ本アッタヨ?

[クミコ]

はあ? そんなの解いたわ、パイナップルとゆうでしょ

そんなのも分かんないの?

[サーミャ・ガーファンクル]

ス、スゴイネエ

[山ノ下 かほり]

何で碑文の謎を解きたいの?

[クミコ]

だからゆかりに勝たないといけないって言ってるでしょ

ゆかりはまだ碑文の謎を解いてるんだから

[山ノ下 かほり]

勝っても得るものなどないよ

[クミコ]

そんなの人の勝手でしょ

[楼ケ崎 條二]

(殴って気絶させるか?)

[山ノ下 かほり]

みんなで楽しいクリスマス会しようよ

山ノ下 かほり【説得】⇒ 失敗

[クミコ]

はあっ!? 謎のほうが大事よ

クリスマス会なんかバカじゃないの?

[山ノ下 かほり]

(うちのゆかりのほうが百倍かわいい)イラァッ

[坂上 なな]

二人で争いなんてしないで仲直りしよう?

[クミコ]

ケンカなんかしてないわ! これは勝負よ

[楼ケ崎 條二]

もうゆかりちゃんの勝ちだ

[クミコ]

解いてないでしょ、コイツは

[山ノ下 かほり]

女の子がコイツとか言うな

[サーミャ・ガーファンクル]

(マジギレ)

[クミコ]

ゆかりはまだ謎を解いてるんでしょ

だったらわたしも謎を解かなきゃダメよ

[山ノ下 かほり]

何でそんなにゆかりに勝ちたいんだい

[クミコ]

わたしより頭がいいのがむかつくのよ!

[坂上 なな]

すごい攻撃的な子

[山ノ下 かほり]

頭がいいのがむかつくのよ、かあ……

勉強頑張ったら?

[サーミャ・ガーファンクル]

ドッカデ今マデ負ケタノ?

[クミコ]

頑張っても頑張ってもコイツには勝てないのよ!

[山ノ下 かほり]

だってうちの子賢いからさ~

こんな状況でも煽っていくスタイルww

[楼ケ崎 條二]

もう気絶かな

ここで手を出すなら警察エンドですよw

通報されます

[山ノ下 かほり]

謎を解いたら何が起きると思ってるの?

[サーミャ・ガーファンクル]

モウソンナノニ意味ハニンジャナイ? 勝カチタイダケナンジャナイノ

[クミコ]

それに決まってるでしょ

黒人のアンタ、よく分かってるわね

[山ノ下 かほり]

ゆかりはクミコちゃんのことどう思ってるの?

[ゆかり]

…………いい、お友だちだよ



 ゆかりはちょっとビクビクしている様子です。



[山ノ下 かほり]

クミコちゃんのこと好き?

[ゆかり]

うん

[山ノ下 かほり]

クミコちゃんはゆかりのこと好き?

[クミコ]

はあっ!? 好きなんかじゃないし!

[サーミャ・ガーファンクル]

(早クデレサセテ)

[クミコ]

何でアンタたちはわたしに謎を解かせないのよ

[坂上 なな]

それをされるとお姉ちゃんたちすっごく困るの

お願いだからやめてくれる?

[クミコ]

何で解いちゃダメか教えなさいよ

[坂上 なな]

実はソレは爆破スイッチなの

[楼ケ崎 條二]

………………。

[サーミャ・ガーファンクル]

ソレハ秘密ノ……!

[山ノ下 かほり]

屋敷パーンッなるよ

坂上 なな【説得】⇒ 成功

[クミコ]

そんな!

[坂上 なな]

ゆかりちゃんもそれに気付いて入力をやめたの

[クミコ]

そういうこと、だったの……

[山ノ下 かほり]

ね? そうよね? ゆかり

[ゆかり]

う、うん



 クミコは大きな溜息を吐きました。



[クミコ]

折角勝てると思ったのに

つまんない!

[クミコ]

わたしもう食堂に行くから



 クミコはかほりの横を擦り抜け、食堂へ向かいました。



[サーミャ・ガーファンクル]

ナイス機転ヨ

[山ノ下 かほり]

サスガななさん✨

[坂上 なな]

信じてくれるとは思わなかったけど

[山ノ下 かほり]

もうちょっとで手が出るところだった

[楼ケ崎 條二]

殴らずに済みましたね

[坂上 なな]

ベッドランプをすべて回収していきたい

[サーミャ・ガーファンクル]

破壊シタイネ



 あなたたちは館のすべてのベッドランプの電源ケーブルを切断し、食堂に行くことにしました。






 食堂に行くと、クミコはちゃんとそこにいました。



[吉永先生]

遅かったですね

もうクミコちゃんは席についてますよ

[山ノ下 かほり]

もうこれで全員ですか?

[吉永先生]

はい、この6人で全員です

[坂上 なな]

(不安が残る……)

[吉永先生]

では、クリスマス会を始めましょう

[サーミャ・ガーファンクル]

イエ~~~イ♪♪♪



 吉永先生の合図でクリスマス会が始まりました。

 クラッカーを鳴らし、大きなケーキやビーフシチューが厨房から運ばれてきました。



[山ノ下 かほり]

(ううっ、煮込み料理はしばらく要らない)

[楼ケ崎 條二]

(トラウマが)

[坂上 なな]

(食べれない……)

[サーミャ・ガーファンクル]

大人タチノ分ハナイデショ?

[吉永先生]

みなさんの分もありますよ

[サーミャ・ガーファンクル]

アルンカーイ

[山ノ下 かほり]

お、お気遣いなく~

[坂上 なな]

ちょっと食べて来ちゃったので……

[吉永先生]

ローストチキンもありますよ✨

[坂上 なな]

(焼いてるヤツ無理!)

[サーミャ・ガーファンクル]

オジサンタチィ、オナカイッパーイ



 大人たちは頑なに料理を食べようとしません。

 それを見て、事情を知っているゆかりは苦笑いしていますが、他の子どもたちは首を傾げています。


 こうして、あなたたちは楽しいクリスマスを過ごしました。






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登場人物紹介

楼ケ崎 條二(ろうがさき じょうじ)

日本に住んでるとある有名な外国人の執事。(お金持ち)

護衛のため、格闘術も多少備えている。大の掃除好き。

ひらめきがヤバイ。

娘:楼ケ崎 響子

サーミャ・ガーファンクル

「露西亜寿司」の店員で、ロシア系の黒人。いつもはチラシ配りと呼びこみを行っている。

身長2メートルの強面なので、噂では「ロシア軍人だった」「ロシアンマフィアだった」等、様々なものが飛び交っている。

娘:ソーフィヤ・ガーファンクル(愛称:ソーニャ)

山ノ下 かほり(やまのした かおり)

農家に嫁ぎ、農作業を手伝いながら収穫物を個人のネットショップで販売したりしている。

応急手当と拳が得意。

今回のメンバーのなかでは一番年下。

妹:山ノ下 ゆかり

坂上 なな(さかがみ なな)

妹が小さいころに両親が事故で無くなり、妹を親代わりになって育てているのでかなり溺愛している。

子供が好きなのでスクールカウンセラーとして働いている。

妹:坂上 しおり



素材提供元:クトゥルフ神話TRPGの素材おきば

⇒ http://blog.livedoor.jp/hanepoti-trpg/archives/31887578.html

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