05.歩く死体
文字数 2,857文字
ひた、ひた……ひた、ひた……
サーミャが部屋には入らず廊下に立っていると、何かがこちらに近付いてくる音を耳にします。
厨房のほうから何かが歩いてきているのではないかとサーミャが様子を見に行こうとそちらを振り返ったところ、「何か」が角を曲がったのが見えました。
それは、首の無い少女の死体でした。
首の無い少女はサーミャのほうへ歩いてきます。
サーミャは恐怖で硬直してしまい、その場から動けなくなってしまいました。どんどん近付いてくる首無し死体から目を離すことができません。
死体は目の前までやってきました。
しかしサーミャの横を通過し、部屋の中へと入っていきました。
部屋の中にいた3人は誰かが入ってきた物音に反応し、振り返ってしまいました。
首無しの死体が部屋の入り口に立っているのを目撃しました。
首無し死体は部屋の入り口で立ち止まったかと思うと、その場でバタンッと倒れました。
あなたたちは恐怖に怯えてその死体を見詰めていましたが、その死体が何か握り締めていることに気が付きました。
サーミャとかほりが震えながらも死体が握っているものを手に取ってみたところ、それは鍵でした。
かほりはメモのことをサーミャに話しました。
かほりは死体が握り締めていた鍵を引き出しの鍵穴に突っ込みました。
すると、ガチャリと鍵が開きました。
ガッ。
かほりは勢いよく引き出しを開けてみました。引き出しの中には、手帳と本が入っていました。
かほりは本を楼ケ崎に渡しました。手帳を開き、全員で覗き込みます。
楼ケ崎は書斎で見付けたペッパー・ペティグリューの伝記やスクラップブックについて話しました。
鈴木 翔陽について
謎解きの以後の作品はひとつだけで、今までのものとは作風がかなり異なり、意味不明な内容となっている。そして、その作品を書いてしばらくした後に自殺する。
鈴木 翔陽最後の作品……『真紅伝説』
楼ケ崎に渡した本は「無線通信に関する本」でした。
楼ケ崎は本を開こうとして指を切ってしまいました。
かほりも本で指を切りました。
楼ケ崎とかほりが指を切り、サーミャはそれに驚いて腰が引けてしまい、本について何も分かりませんでした。
かほりは本で切った指を手当てしようとしましたが、更にザックリと切ってしまいました。
それを見ていたななが手当てをしてくれます。
ななはかほりの指に絆創膏を巻きました。
ななは、この本にとても熱心に読まれた痕跡があることに気付きました。
そのページには、モールス通信の対応表が記されていました。