08.鏡世界
文字数 2,663文字
あなたたちはなんやかんやで碑文の謎を解きました。
ゴゴゴゴゴッ。
玄関ホールで大きな音が鳴り響きました。
石碑が動き、地下へと続く階段を目撃しました。
あなたたちが階段を降りてしばらく進んでいくと、進行方向にまた上りの階段が見えてきました。
かほりがスマホのライトで照らしてみますが、階段の先は暗く、上りきらないと何も分からないようです。
あなたたちが上り階段を進んでいくと、じっとりと湿った空気が上の階から流れ込んでくるのを感じます。
階段を上り終わると、そこは壁も床も血管が這った肉でできた空間でした。
そしてその肉の塊は丁寧に階段や扉の形をしており、先程までいた玄関ホールの間取りとまったく同じでした。
サーミャは持っていた寿司を突然食べ出しました。
サーミャは寿司を食べながら走り出しました。部屋Aのほうへ走って行ったようです。
なな、かほり、楼ケ崎はサーミャを追いかけました。
3人が追い付くと、サーミャは厨房の前で寿司を貪り食っていました。
サーミャは寿司を食べるのに夢中でななの言葉を聞きません。
かほりの拳は的確にサーミャの顎を打ち抜きました。
脳味噌がいい感じに揺れたサーミャは正気を取り戻します。体格のお陰で気絶せずに済みました。
サーミャが正気を取り戻し、あなたたちは階段を上がってきて、玄関ホールにあった肖像画のことを思い出しました。
肖像画の周りは肉で彩られ、真っ赤なドレスに身を包んだ人物が描かれていました。しかし、その絵はこの館に入ってきたときに見た老婆ではなく、顔が真っ黒に塗り潰された少女に変わっていました。
あなたたちは玄関ホールにやって来ました。
肖像画は、あちらのものもこちらのものもまったく同じ体勢で同じドレスを身に纏っていますが、描かれているのは少女です。
この絵を見てあなたたちは既視感を覚えました。
この少女をどこかを見たことある気がする。自分の娘や妹なのではないか……と。
かほりは独り言を零しました。
サーミャは肖像画の下にある金のプレートを見てみます。
そこには「黄金は見つけられた?」と書かれていました。
楼ケ崎とサーミャ、ななとかほりの二手に分かれて行動することにしました。