09.黄金
文字数 3,131文字
食堂にやって来た楼ケ崎とサーミャは、瞬時にあちら側の食堂と同じだと思いました。
しかし、一点だけ異なるところがありました。長テーブルの真ん中に金色の水溜まりのようなものができているのを見付けたのです。
それは楼ケ崎には液体のように見えました。
サーミャはそれに指で触れてみました。一見して液体のように見えましたが、とても細かい砂金でした。
ななとかほりは部屋Bにやって来ました。
そこには、クローゼットの中から大きな黄金の塊が零れていました。さらにクローゼットの奥にはもう一つ黄金の塊が見えます。
ななとかほりが部屋Bから出てきたところで、食堂から出てきた楼ケ崎とサーミャと鉢合わせしました。
ななとかほりは部屋Dへ、楼ケ崎とサーミャは部屋Cへ行きました。
部屋Dでは天井から黄金の塊が吊り下げられており、部屋Cでは奥のベッドの上に砂金の塊が山となっていました。
サーミャは微かに床が光っていることに気が付きました。それを追っていくと厨房の角を曲がって部屋Aのほうへ続いていました。
あなたたちは厨房に向かうことにしました。
サーミャ以外の3人は、ドアを開ける前に、厨房から人のいる気配がすることに気が付きました。
厨房から人の気配がするため、かほりは警戒してナイフを構えます。
バーンッ!
サーミャはドアを開けました。
そこでは、真紅のドレスを身に纏った少女が、オーブンの中にある5つの黄金を見詰めていました。
ドアが開いたことに気付き、ゆっくりとあなたたちのほうを振り返りました。
あなたたちは少女の顔をよく見ようとしますが、黒い影に覆われハッキリと見ることができません。
今のわたしのこの肉体を譲ってくれた娘は、つい昨晩謎を解いた者よ
わたしの提案に簡単に乗って新たな真紅の女王になるという願い事をしたの
そしてこの娘の肉体は、今やわたしのもの
娘の肉体に宿っていた魂は、今頃肉体を失ってどこかをさまよっているのでしょうね
そう言って少女はニコニコと笑っています。
真紅の女王はかほりの言葉を聞いてもにっこりと微笑むだけです。