第14話 頂点の景色

文字数 140文字

 玉座の間は傷だらけだった。美しかった大理石の床はひび割れ、タペストリーや絨毯は切り裂かれている。最奥の玉座すら前王の血で鉄さび色に変色していた。
 私は鎧のままその玉座に腰を下ろす。あれほど焦がれた場所も最早ただの椅子に過ぎない。
 国の頂点で目を閉じ、私は生臭い空気を深く吸った。
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