第3話 いつか桜の木の下で

文字数 139文字

「いつか、あなたの傍で死にたい」
 遠い春の日に泣いた彼女が久しぶりに訪ねてくれた。彼女は杖をつくようになっており、頭巾からのぞく髪もすっかり霜をいただいていた。
「望みを叶えに参りました」
 彼女は腰を下ろして僕にもたれ、ゆっくりと目を閉じた。眠りゆく彼女のために僕は花を降らせた。
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