第5話 蓬莱の仙女

文字数 140文字

 玉手箱に入れた五色の雲が彼を包んで戻ってきた。魂はない。彼の故郷、人間の世界にきっと立ち尽くしているだろう。
「私の元に戻りたいなら、決して開けないでと言ったのに」
 冷えた頬をつねっても反応はない。
「神仙と違い、人間とはそのようなものなのです」
 侍女の言葉に私は答えられなかった。
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