第22話 田んぼの人影

文字数 141文字

 母方の祖父母宅に帰省した時、田んぼに白い人影を見た。
 それは青々とした稲の若苗を泥まみれの素足で踏み荒し身をよじって踊っていた。凄まじい笑顔だった。
 あれは誰かと尋ねると皆一様に口を閉ざした。
「あれはあれだ。気にすんでねえ」
 そう言って煙草をふかす祖父の顔はあれとどこか似ていた。
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