第16話 ツルバラ

文字数 140文字

 濃いバラの香気にはっとした。
 庭の東屋に絡んだツルバラが淡い黄色の花を咲かせていた。小ぶりな花は手毬のようで、間からのぞく棘のことを忘れて触れてみたくなる愛らしさだ。暖かな日差しがツルバラと東屋を輝かせている。
「きっと絵になる」
 苗を植えた夫の言葉が耳によみがえり胸が詰まった。
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