執筆活動

文字数 779文字


「…って、だけど受賞しなきゃいけないし。何を書けばいいってのだ?」
「小説、そしてラノベなんてのは簡単だ。読者の欲望を書けばいいのさ」
「欲望…」

「だいたいそうだろ?異世界に行って、女の子にチヤホヤされたり、特殊な能力に目覚めてみんなから必要とされたり、自分の思い通りの都合の良い展開を繰り広げたり、圧倒的パワーで嫌な敵に勝利してスカッとしたり、そういうくだらない欲望を叶えてやれば愚かな人間どもはだいたい満足なのだよ」

「イエスちゃんラノベ詳しいのな…」
「神様のたしなみさ、だって私は救世主。人を救うことが私の職責なのだから」

「うーん、でもますますわからない。人の欲望?人を救うって言っても幅が広すぎるし。ラノベ的にはもう出し尽くされているかも?」

「ふふーん、それはこのイエスちゃんがすっぱりさっくり解決よ!」
「そのココロは!」

「私がこれから、町に出ていろんな人を救います。それは神様なので間違いのない完璧な救世活動。で、君はその一部始終をそのまま小説に落とし込めばいい」
「…!」
「そう、たったそれだけのことで君は世界で10億冊売れるラノベを書くことができるのだーーッ!!」

「お、おぉぉおおおおお!何だか出来る気がしてきたぜーーッ!!」

「私は神だ!神に不可能などない!」

「イエーイ!神様イエーイ!」

「のんのんのん」

「はっ…!イエース!神様イエース!」

「オーライ!イエス!ジーザス!クライスト!スーーパーーーー!!!!」

 

 後光が光る。
 スパークするパワー。
 イエスちゃんから溢れ出る天上の光。
 それはとても美しい。
 その輝きは私の心を浄化していくようだった。


イエスちゃんと私の救世の旅はここから始まったのであるッ!!




そう、私は「新しい聖書」を書くのだ。



つづくッ!!
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