光あれ

文字数 624文字

 光を見た。
 雲から漏れいでる天上の光。
 それはとても美しい。
 その輝きは私の心を浄化していくようだった。

 徹夜明けの私はカーテンの隙間から差し込む光を見てぼんやりとしている。
 私は小説家だ。小説家なんてもう売れる商売じゃないと言われて久しいが、全くもってその通り。ギリギリの生活だ。まぁ、しかしギリギリ専業で小説家をやれているだけ幸運なのかもしれない。しかし、兼業で安定した収入があって書いた方が心の安定は保てるであろう。そう!私は全くもって心の安定が保ててないのだ!不安だ!不安だ!将来が不安の暗黒の真っ暗闇だよー!どてんばたん。

 ドンドン!

 なんだ?アパートの部屋のドアを叩く音がする。

 ドンドン!

 新聞の勧誘はもう数年来てないし、NHKのアレか?それともAmazonで何か注文してたっけ?そもそもこんな早朝に?私は音楽のボリュームを下げ、そっと忍び足で玄関のドアの覗き窓を見る。

 そこには一人の少女がいた。

 誰だ?

 長い髪の背の小さな女の子だ。

 なんだろう?好奇心が首をもたげる。部屋を間違えているのだろうか?ならばそう言ってやらねばなるまい。おい、いいか違うぞ。私はロリコンではない。断じて違うぞ!これはただの、そう、好奇心だ。

 ガチャリ。

 ドン!

 バーン!

 「ヤァ、初めまして!私が神だ!」

 扉をあると同時に弾け飛ぶように現れた少女は目をクリクリと輝かせてそう言った。

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