救世主の光
文字数 590文字
彼女は少し神妙な顔をして話を続ける。
「私はいつだって人を救う、だって救世主だもんね。で、あれだ?今この時代の人間たちのしんみり具合は何なの?科学技術は発展して医療も最高峰、食べ物に困ることもないし娯楽も無限に存在する。なのに心を壊す人間が多すぎる。心を病む人間が増え過ぎている。何で?一体なんでなの?」
「あー…何でって言われてもなー、そうだよなー、あまり良いとは言えない世界だ」
「な、の、で。このワタクシ、ジーザスさんが颯爽と登場なわけですよ」
「救世しちゃうの?」
「救世しちゃうねー」
「救世できるの?」
「救世できちゃうよーん。だって私はスーパースター!ジーザス・クライスト・スーパースター!イエス!キリスト・フォーエバーー!カモン!ミュージック!」
彼女が指を高らかに掲げると、高揚感溢れるダンスミュージックがどこからともなく大音量で流れ始めた!
踊る神様!
つられて踊る人間の私!
世界が一瞬にしてダンスフロアに変わる!
う、うわーーー!!!た、楽しい!そして、音楽が虹色に輝いて見える。幸福!とめどない多福感が後から後から溢れ出る。もはやそれは究極の快楽のごとく!
光だ!光が輝いて見える!
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「フゥー、人間の作った薬も結構効くね」
「え?」
「えーっと、覚せい剤?」
「ワーーーッ!!ダメ!絶対!」