森のクマさん
文字数 913文字
何がそんなに辛いの？良かったら訳を聞かせてくれないか 力になるよ
黒巫女はぬれた瞳で男を見た 森のクマさん・・ 男はそういう印象だった
あのね こういう恋をして こうした理由で別れたの 今悲しい・・
そんな男別れてよかったよ 格好いい男は完ぺきを求める きっと窮屈な人生になったと思うよ 君は僕と出会えてよかった
明日またここにお出で 一緒に山へ行こう きっと楽しいよ
山？行ってみる・・
山の日
山は樹で覆われているのだよ 木の下には花も咲いている
ほら かたくりの花だよ
綺麗 いっぱい咲いているね
うつむいた花は 今の君に似ている 花言葉は「寂しさに耐えている私」
そう 花なのに・・（自分を客観的にみる）私の初恋だったの
さあ 車に乗って ちょっと山をドライブだ
ドライブ？嬉しい 正直山登りはちょっと体力的にきついと思っていたの
まだ葉の少なく明るい森を抜け 道を山に沿って車は進む
着いたよ
男は 「山道滝」と案内標識のある駐車場に車を停めた
山道滝？
そうだよ パワースポットで人気のある観光地なのさ
ワイワイ 観光地「山道滝」は家族連れやカップルで賑わっている
皆の楽しそうな顔を見て 元気の出る黒巫女 気分が変わったようだ
パワースポットのここでランチにしようよ（男は背負っていたリュックを降ろす）
君の分のお弁当も作ってきた一緒に食べよう 男の手料理って食べたことある？
ありがとう 私のお弁当は持ち帰るぞよ
君のお弁当 僕食べたい
よいぞ 食べ物は痛むともったいないからの
平らな大地にアルミマットを敷いて 男と黒巫女はお弁当を挟んで横に並んだ
気持ちいい景色だね 空気が澄んでいて浄化されるようさ
私の恨みつらみも川に流されていく・・（黒巫女の辛い気持ちも流れたようだ）
僕の手料理 味はどう？
すっごく 美味しいぞよ 私の手料理味はどう？
とってもユニークだ
前の彼は美味しいって言っていたけど？
なめ茸が混ぜおにぎりに入っていて 形が崩れる点がユニークだよ 前の彼は外国人だったしね 外国の料理知らないのでは？
あっ ザーサイ美味しいよ
それは入れただけ 作ってない（微妙な顔）
ハハハ 君は表情があって面白いよ 今度は一緒に海へ行こう きっと楽しいよ
海？行ってみる・・
