観察日誌:2044年5月13日

文字数 255文字

 本来なら不本意な事だが、恐竜の絶滅についても環境を再現させるのではなく、絶滅させるためのデータを入力する方法を取ることにした。
 現実から導き出されたデータを入力しているはずだが、これほどGBPで作成した世界が現実と乖離してしまうとは思いもよらなかった。

 逆に、このまま恐竜が絶滅しなかった場合の世界はどうなるのか興味はあるのだが、8月中に現実の年代との同期を完了させなければ実験は中止となってしまうだろう。

 一度中止になってしまえば、恐らく次は無い。

 なんとしても現実との同期を急がせなければ。
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登場人物紹介

戸隠顕子(とがくれ けいこ):実験室の室長。十年かけてこのプロジェクトの発足を成功させた。

内有布袋(ないある ほてい):戸隠顕子の後輩。有機スーパーコンピューターGBP(Glitter Black Polyhedron)を所持する企業からの外部協力者。

伊豊貞衣(いほう てい):内有布袋の彼女。研究室のメンバー。

野倉舞(のぐら まい):研究室のメンバー。内有と伊豊と同郷。

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