研究日記:2043年11月20日

文字数 325文字

 長かった光子時代が終わり、ようやく暗黒時代へと移ることができた。このまま順調に行けば、来月には最初の恒星が出現するだろう。
 暗黒時代はその名の通り光子時代に比べて暗く何も見えない宇宙の時代だが、この時に様々な元素が産まれ、やがてそれらが星の元となるため、今日のように星々が煌くためのとても大事な時代である。
 星を産むための暗黒の準備期間なので、さしずめ無光の房室と言った所だ。

 ただ、それだけ重要な期間なため、9月にあったようなバグを起こさないよう、慎重に進めなくてはならない。
 あれから再発はしていないが、未だバグの原因は究明出来ていない。
 内有は大丈夫だといっていたが、万が一の事もある。常にバックアップは複数取って置くべきだろう。
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登場人物紹介

戸隠顕子(とがくれ けいこ):実験室の室長。十年かけてこのプロジェクトの発足を成功させた。

内有布袋(ないある ほてい):戸隠顕子の後輩。有機スーパーコンピューターGBP(Glitter Black Polyhedron)を所持する企業からの外部協力者。

伊豊貞衣(いほう てい):内有布袋の彼女。研究室のメンバー。

野倉舞(のぐら まい):研究室のメンバー。内有と伊豊と同郷。

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