そして日は沈みゆく
文字数 1,404文字
――LUS支部·病室――
シャロアが心配そうにカイゼルの顔を見つめていると、閉じていた目が開く。
カイゼルは勢い良く上体を起こし、周りを見渡した。
突然の目覚めたカイゼルに驚き、シャロアは壁に後頭部を打った。
頭の後ろを抑えてシャロアはうずくまる。
シャロアは涙目になりながらカイゼルを睨んでいた。
* * *
カイゼルの言葉にシャロアは瞼を半分下ろし、不機嫌そうな目を向ける。
――食堂――
自動販売機を前にヴェルスは考える。
この自動販売機には豆や芋、小麦を加工した食品。
左隣には飲み物。
右隣を見ると、数種類のレーションバーとゼリーが売られている。
それなら、ビタミンゼリーが良いですよ
背後から聞こえた女性の声にヴェルスは思わず驚き振り返る。
あっ、ごめんなさい。驚かせてしまって……
それなら良かった。あなたは……ルブルムの方ですよね?
あぁ、やっぱり……!噂には聞いていたんですよ
私は第2部隊の副隊長を務めているミア·フレーレと申します。よろしければ、お名前を教えていただけますか?
これからよろしくお願いします、ヴェルスさん
ミアの端末から通知の音が鳴る。
ちょっと失礼しますね
端末を取り出すと、ミアは画面を確認した。
すみません、もう少しお話をしたかったのですが任務が入ってしまいました
ありがとうございます。では、また
軽く頭を下げ、ミアは去っていった
そう呟いて、端末をかざす。
自動販売機から出てきたビタミンゼリーを取ると、それを懐に入れた。
――病室――
カイゼルはゼリーを飲んだ。
ヴェルスは早足で水を取りに行った。