適合者達
文字数 1,718文字
受付に戻るとエルナは男と話をしていた。
任務お疲れ様でした。お怪我はありませんか?
そうですか……。先日の調査隊の壊滅から何も起こらないというのは却って不安になりますね……
男がヴェルスの気配に気付く。
ヴェルス·ヴルードさんです、今日からこの支部に配属されたんですよ
人員の再編成で第1部隊の方々はそれぞれ他の部隊に分けられているんです。レヴァンさんだけは例外ですけどね
それほど実力があるという事ですよ
一言残して、レヴァンはその場から立ち去っていった。
そういえば、ヴェルスさんにも端末を渡しておかないといけませんね
はい、ちょっと待ってて下さい
そう言ってエルナは受付の奥に入って行った。
どうぞ
奥から戻るとエルナはヴェルスに黒い板のような物を渡した。
はい。昔使われていた通信機器を参考に作られた物で、アレクトに所属している人は持つ事が義務付けられています
それでは早速、端末の機能について説明を……
エルナの話を遮る少女の声。
端末と棒状の物を持った少女がうなだれながら、受付にやって来た。
それは……レーションバーですね。未開封のようなので返品を受け付けますよ
エルナの言葉に少女は顔を上げる。
こちらはヴェルス·ヴルードさんです。先程この支部に到着したばかりで……
は、はい。そうですよ
言葉を聞いた瞬間、少女はヴェルスの腕を掴んだ。
あ、そのレーションは……?
行っちゃいました……
――アレクトLUS支部·食堂――
アレクト支部の食事スペース。所属している人数に合わせたテーブルと椅子、食品や飲み物を売っている販売機だけが置かれている。
少女に連れられ食堂奥へと進む中で、ヴェルスは周りから偏見の目で見られている事に気付いた。
そんな事は知らずに少女は早足で進む、向かう席には既に2人座っている。
2人の居る席に着くと、少女は目を輝かせて話した。
場の空気を理解し、少女は萎縮する。
少女が席に着くと、ヴェルスも遅れて椅子に腰を下ろした。
シャロアには軽い会釈。
シャロアは袋を開けた。
そして袋から少しだけバーを出し、かじる。
4人に男が近付く。
お前達がルブルムか?
そうか。私は、お前達4人の担当となったフォルク·ベズレーだ。これから演習を行う、付いて来てもらうぞ