第4話

文字数 239文字

 見知らぬ客人は30歳すぎにみえるといったが、それにしては厳かな影を帯びていたし、全体に緑っぽい肌をしていてブロンズ製の銅像のようだった。そのことにみんな気づいた。
 これは考えるまでもなく不気味で恐ろしいことだったから、逃げたほうがいいとぼくたちはおもった。しかし銅像のように重そうな彼の体が発する得体のしれない力によって、手も触れないのにおさえつけられたみたいになった感じで、ぼくたちは座ったまま動けたなった。
「いいアイディアだ」と銅像はもう眼鏡をはずして暗い目で繰り返した。
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