(一)-4
文字数 299文字
乾杯を終えてしばらく歓談が続いたあと、先輩はそう言った。そう促され、髪を中分けにした長身で痩身の男が立ち上がった。
「えーっとお、俺は武蔵浦和翔っていーます。学科は経済学科ッス。今この髪型は、昔はやったバスケ漫画の『スラムダンク』に出てくるキャラの、不良の時の三井の髪型を真似てます。GW明けくらいには金髪にしようと思ってます。よろしくおなしやっす」
そう口数多く説明したが、その目線はずっとマコト先輩に注がれているのを、俺は見逃さなかった。マコト先輩はその間、このチャラ男の話を小さく頷きながら聞きつつ、両手で缶を掴みながら少しずつビールを飲んでいた。先輩はこういう男が好きなのですか?!
(続く)
「えーっとお、俺は武蔵浦和翔っていーます。学科は経済学科ッス。今この髪型は、昔はやったバスケ漫画の『スラムダンク』に出てくるキャラの、不良の時の三井の髪型を真似てます。GW明けくらいには金髪にしようと思ってます。よろしくおなしやっす」
そう口数多く説明したが、その目線はずっとマコト先輩に注がれているのを、俺は見逃さなかった。マコト先輩はその間、このチャラ男の話を小さく頷きながら聞きつつ、両手で缶を掴みながら少しずつビールを飲んでいた。先輩はこういう男が好きなのですか?!
(続く)