一文小説集「ぐしゃぐしゃ」等三篇

文字数 159文字

「ぐしゃぐしゃ」

 疲れて帰宅すると、郵便受けに、元妻に引き取られた息子が描いたらしい俺の似顔絵がぐしゃぐしゃに突っ込まれている。



「右左」

 いつも右手に包丁を持っている彼は、私と歩く時、私を必ず左手側にしてくれる。



「できたて」

 のれんに「できたて」と書かれている金魚すくいの屋台の店先で、店主が金魚の魂を手でこねている。
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