猫をさがす

[ファンタジー]

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16歳のわたしは、猫をさがしていた――

目次

完結 全1話

2024年03月20日 23:18 更新

登場人物

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少女と女性の間

幽界から迷い出たような不思議な少年と少女の話。読みかけたら止められない魅力がありました。 この二人の絡み、特に最後の辺りで少年が入ってはいけない道に対して言及するところが印象的でした。 そして、なんだか第二次性徴を持て余している少女の、大人へ至る前の危うい美しさを感じました。そんな期間だからこそ見ることができた幻影だったのでしょうか。短いながらも、読み応えのある作品でした。

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デッキチェアで麦茶を飲むときの隣の「体温」

テクスト内だけで論理的に解決しようと目論めば少年が茶トラであるのが妥当だけど、そういう因と果ではなく、この作品で「探す」のはそういうお話でもない。このテクストを読解するときに僕が脳内で参照してしまったのは村上春樹『神の子たちはみな踊る』の方法論だ。 ナラティヴとしては起こるストーリーもあるけど、そのテクストの語られない「外部」があって、その「外部」はテクスト内に「予兆」として不穏な影を落としているような、でもそれは「予兆」がなにかを「なんとなく」察してしまうから不穏に思える、という村上のその作 ... 続きを見る

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さすがの完成度

もうイントロから物語にすーっと入り込んでしまいました。 南ノさんの物語は、説明調なところが全然なく、描写がとても細やかで丁寧。それで自分もヒロインに憑依してしまったような感覚になれるのです。 外界と心的世界の境界の曖昧さと、心と身体のヒリヒリ感が、まさに「16歳」の物語だと感じました。 「猫」のメタファーもよきです、素敵な物語でした!(*^^*) (実は……南ノさんは、コンテスト作品出されないのかな、読みたいな、と思っていた矢先だったので、めっちゃ嬉しかったです!)

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三奈乃さんの「異界」

三奈乃さんの「異界」モノ(と、言っていいのでしょうか……?)、別世界の存在が静かに足元に押し寄せてくるような、けれど同時に品位も感じさせる、三奈乃さんならではの趣きがあって本当に好きなのです……! 読めて嬉しいです。 16歳……自身の意識と身体との関係がねじれたり、無意識のうちに危険なものに接近していたりと、この時期そのものが人生における「異界」なのかもしれませんね……。そんなことに思いを馳せました。 今回も素敵でした……!

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16歳のゆらゆら感。

ほんとうに危なそうで落ちそうな年頃。からだを意識し始めて、大人になる事を意識し始めた年頃だったなぁと自分の昔を思い出しました。あの頃、自分の周りにあったいろいろな『塀』も思い出して感情を揺さぶられました。 少年の声が変わったときは、私もどきり。不思議な物語なのに、鉄の匂いや味、からだの温もりや丸さ、茶や赤の色、そんなリアルをはっきりと感じられて、色々な角度から迫ってくる小説でした。さすがです。

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「きわ」

実は、息子が十六歳なのです。 多感な思春期から大人へと抜け出そうもがいている「際」にいる感じを、毎日近くから見ています。 「わたし」も、分別を身に付けつつ、まだまだ危なっかしい十六歳の特徴が上手く捉えられていて、ついつい同じ眼差しを注いでしまいます。 落ちそうで落ちない「際」から「こちら側」に降りたことも、何か深い示唆を感じます。 随所に見られる「からだ」への意識も、十六歳の少女を象徴している感じがしました。 「入ってはいけない道がある」と説く少年の耳の形を想像しながら、少女には小さな ... 続きを見る

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16歳の時の気分を…

読ませていただいて、ふと16歳の頃の頼りない気分を思い出しました。 自分のことが嫌いだった頃の。ふわふわとして、なにかに頼りないのに頼れず。 あの頃、もしかしたらこの主人公が落ちそうになった闇に、ちょっとしたキッカケで落ちてしまったかもしれない。 でも、そうならなかったのは、それを防いでくれた存在(茶トラみたいな)が、私にもいたのかもしれません…。

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小説情報

猫をさがす

南ノ三奈乃  minano

執筆状況
完結
エピソード
1話
種類
一般小説
ジャンル
ファンタジー
タグ
【課題文学賞その十】
総文字数
2,000文字
公開日
2024年03月19日 13:03
最終更新日
2024年03月20日 23:18
ファンレター数
7