始末屋 始末屋石田光成①
吉原遊郭の石田屋の主幸右衛門に後継ぎは居ない。幸右衛門は遠縁の浪人石田を後継ぎにすべく石田に始末屋を頼む。(遊郭における未払いの花代(遊興費)取り立てを生業にする者を始末屋と呼んだ)
始末が済み、花代を届けた石田は、亡き妻佐代に似た下女の小夜に一目惚れし、小夜も石田に一目惚れした。小夜は借金の形に下女奉公していたが、幸右衛門や石田の仲間の勧めで、石田は小夜の借金を肩代りし小夜を妻にする。
石田に石田屋を継がせたいと思っている幸右衛門は、小夜を上女中にして家人用の部屋を与え、石田に石田屋専属の始末屋を頼む。しかし、白鬚社の番小屋に暮す石田と仲間たちは隅田村の衆に恩があるため、石田は隅田村から石田屋の妻小夜の元に通い、浪人仲間と共に石田屋から依頼される始末をする。
幸右衛門から、日本橋の呉服問屋山科屋清兵衛の倅清太郎の始末を依頼された石田は、妻小夜の情報で、石田たちは清太郎が小梅の水戸徳川家下屋敷で開かれる賭場襲撃を企んでいるのを知る。
山科屋清兵衛の倅清太郎の始末をした後、石田たちは山科屋清兵衛から、『倅清太郎と仲間が企んでいる悪事を阻み、清太郎を山科屋に連れ戻して欲しい』と依頼される。
また、石田屋幸右衛門を通じ、吉原遊郭の小見世仲間から始末屋と警護を依頼され、依頼を引き受ける。
石田は、小梅の水戸徳川家下屋敷の留守居役後藤伊織に剣術指南をしている日野道場の日野唐十郎の紹介状を携えて、水戸徳川家下屋敷に留守居役後藤伊織を訪ねると、まさにその時、水戸徳川家下屋敷の賭場を襲撃する清太郎たち三人に遭遇する。
居合いの達人の石田と、手練れの後藤伊織は、刀と木太刀で清太郎たちを倒して捕縛する。清太郎は家業を継ぐ気がなく、大工をしたいと考え、密かに大工の棟梁八吉の元で修業する身だった。清太郎の仲間二人も大工修業する無頼漢の兄弟子だった。
その後、水戸徳川家下屋敷に留守居役後藤伊織の裁量により、石田は清太郎の仲間二人を死罪にし、清太郎を山科屋清兵衛に引き渡すが、清太郎は改心しない。そこで、清兵衛は清太郎と親子の縁を切り、石田たちに、清太郎の打ち首処分を任せる決断をする。
清太郎の身柄を引き受けた石田たちは、逃げたら首を刎ねる、と言って清太郎の身を大工の八吉の頭領に任せ大工修業させる。清兵衛は清太郎と親子の縁を切る離縁状を北町奉行所に届けた・・・・。
石田屋に戻った石田は石田屋幸右衛門に、小夜と共に始末屋をしたいと話すが、後継ぎが居ない幸右衛門は、将来、小夜には子どもと共に石田屋の帳場に座って欲しい、と言って石田の話をはぐらす。
小夜の元に戻った石田は、いつものように始末の請け負い料を全て小夜に渡す。小夜は毎月一両ずつ親元へ送っていた。それ以上送ると、親が当てにすると言って節度有る態度を示した。石田は小夜の日頃の働きを思い、小夜は良き子を育てると思った。
目次
完結 全17話
2024年06月16日 10:48 更新
- 筆者から読者の方々へお願い 公開日: 2024/06/16
- 一 石田屋の跡継ぎ 公開日: 2023/10/09
- 二 始末の依頼 公開日: 2023/10/09
- 三 愛しの小夜 公開日: 2023/10/10
- 四 突然の祝言 公開日: 2023/10/10
- 五 始末屋の女房 公開日: 2023/10/10
- 六 町奉行所の始末承諾 公開日: 2023/10/10
- 七 始末の打ち合せ 公開日: 2023/10/10
- 八 湯屋の三吉 公開日: 2023/10/10
- 九 後藤伊織への紹介状 公開日: 2023/10/11
- 十 花代取り立てと新たな始末 公開日: 2023/10/12
- 十一 下屋敷の留守居役 賭場の用心棒 公開日: 2023/10/13
- 十二 清太郎一味の賭場襲撃 公開日: 2023/10/14
- 十三 清太郎一味の捕縛 公開日: 2023/10/15
- 十四 死罪 公開日: 2023/10/16
- 十五 始末 公開日: 2023/10/17
- 十六 愛しの小夜は良き母 公開日: 2023/10/18
登場人物
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小説情報
始末屋 始末屋石田光成①
- 執筆状況
- 完結
- エピソード
- 17話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- 歴史
- タグ
- 総文字数
- 28,439文字
- 公開日
- 2023年10月09日 10:19
- 最終更新日
- 2024年06月16日 10:48
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