狭軌広軌

文字数 376文字

 戦前に子供時代を送った殿方は、多かれ少なかれ鉄道や電車に興味を持ったようです。まだまだ道路も整備されておらず、自動車も普及せず、エアラインも存在しない。
 プラモデルなんか売ってない。コンピューターなんて言葉はまだなく、SF小説の中でかろうじて「電子頭脳」の名で登場するかどうかというところ。
 男の子が興味を持つ対象というのは限られていたのでしょう。

 私の父ではない別の人のことですが、鉄道ファンではないけれど、
「一番速い電車を走らせている鉄道とはどこか」
 というどこでもきかれるクイズみたいなものがあったらしく、この人もその答えをしっかり知っておりました。

「狭軌の阪和、広軌の新京阪」

 戦前の世の中では、正確には標準軌というべきを広軌と呼ぶことが多かったようです。
 現代風に直せば、
「狭軌鉄道なら阪和電鉄。標準軌の鉄道なら、阪急京都線」
 という感じ。
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