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文字数 689文字

お姉さんと私は相手を否定しない。
例えば、できっこないよ!やめなよ!とかそう言ったワードを決して言わない。
もちろん、思わないから言わないのだ。
「私、ティモシー・シャラメが好きで…好きで好きで、どうしたらいいのか…」
「そっか!じゃあ専属の日本語教師とかになるしかないね!」
お姉さんは、好きからそこまで話を持っていってくれる。
「でもニューヨークに住んでますよ?」
「大丈夫、オンラインで!」
「ハリウッド俳優オンラインは笑っちゃう。」
なんだか夢が膨らむ話である。

イギリスに住み英語に悪戦苦闘し、慣れない環境に身を置きながら暮らしているからか、時折人にもの凄く褒めて欲しくなる。
その気持ちがわたしとお姉さんの中では共有し合えるのだ。
お姉さんが大学のプレゼンでこれをしたよ!と言ったら、もちろん凄いことをしているから全力で、凄いね!と言う。
私が仕事で良い資料を作れば、見て見て!と見せて褒めてもらう。
お互い大人になってから渡英をしているから、大概のことは挑戦してみるべし。と思っている。
そして、叶うか叶わないかはわからないが、いいじゃない!やってみたら!とも、思っている。
今私はティモシーにどハマりをしていて、彼と流暢な英語で話し、専属の日本語教師になるぞ!と意気込んでいる。
それがいつまで続くかわからないが、
「なれるよ!」
と言ってくれる人が近くにいると、なんでもできそうな気がするのだ。
「もし10年後に辛いことがあっても、私を思い出して、あの人この歳でイギリスに来たんだな、と思って元気出してね!」
そう言って笑うお姉さんは、私の目から見ていつもきらきら輝いている。
私もそんな大人になりたい。
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