ツボ

文字数 691文字

私は英語が得意ではない。
2ヶ月びっちり語学学校に通っていたが、オンラインの関係で1ヶ月休んでしまい、一度上がった私の英語力はまた下がってしまっている。
最近は聞き取りも鈍くなり、これはまずいぞ…と思っている。
それでもおじいとの交流は不思議なことに良好だ。
「私さんとおじいってなんでいつもあんな楽しそうなの?部屋までおじいの笑い声聞こえるけど。」
とお姉さん。
お姉さんとおじいは私よりも1ヶ月長く住んでおり、2人とも意見の交換を良くする。
お姉さんは疲れたら疲れた。それは違うなら違う。しっかり言うから、おじいとの話も真面目で難しいテーマについても話している。尊敬するばかりだ。

さて、なぜ英語力の低い私がおじいと盛り上がるかと言うと、「笑いのツボ」が答えである。
「蠅をやっつけるマシーンを見つけた。」
「カフェから砂糖を沢山盗んできたぞ。」
「この牛乳パックはチーズ臭いな。」「どれどれ…」
全くもってくだらんテーマだが、私はこのおじいのくだらない話を、またきたぞ…と、にやりとしながら聴いている。
そしておじいは私のにやり、を察して、顔をくちゃっとしながらカッカッカと笑う。
そのくちゃっとした顔がまたツボに入り、私も爆笑している。
ツボが浅いのか、同じなのか、わからないが、私たちの会話は大抵くだらない。でも楽しい。
「私とおじいだけだったら、老夫婦みたいな生活になってたと思う。おじいは私さんに癒されていると思うよ。」
そう言ってもらえる。
私からしたら、しっかりした2人の土台があるからこそこのポジションでいられるのだ。
おじいがいて、お姉さんがいて、そしてわたしがいてこのフラットは今日も平和なのだ。
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