日曜大工
文字数 1,933文字
昨日からロンドンは雪が舞っている。
前回の初雪とは違い、沢山は積もらないがずっと雪が舞っている。そして風が強い。
さて、我がフラットでは2週間前からシャワーがお湯から水に変わり、またお湯になる、と言う大変迷惑な事態に陥っている。
ただ、おじいはお気に入りの修理屋さんがいるらしく、その人が来るまではすまないが直せない、とのこと。
お姉さんと私は、まあいいさ。慣れたさ。と、シャンプーとボディーソープを一気につけ洗い流す、と言う技を覚え、小学生男子もびっくりの早技でシャワーを終える日々を過ごしている。
そんな状況なので、多分ボイラーがやられている我が家は、部屋までめちゃくちゃに寒い。
天気が良い日はちゃんと暖かいのだが、外が寒い日に限って暖房が全然部屋を暖めてくれない。むしろ外と変わらないのではないか…？と思うほどだ。
そんなわけで、特に昨晩は寝たくても寒くて寝れないくらい、とにかく寒かった。
「おはようございます、寒い！！」
「もう、寒すぎて昨日湯たんぽ抱いて寝た。」
「私寝れなかったですよ昨日。」
「私も。おじいには一応さっき伝えたけど…」
「そうなんですね！ありがとうございます。」
「修理屋さんが来るときにシャワーと一緒に言ってくれるって言ってたけど、今寒いんだよね。」
「そう！！今直して。」
そんな会話をしながら朝食を済ます。
私はオンラインの授業があるので極寒の部屋に戻り授業を受ける。
すると、隣の部屋からおじいとお姉さんのざわざわした声が聞こえる。
なんだなんだ？と思いつつ、我慢。
ようやく休憩時間になりキッチンに向かうと、
「な、なにしてんの？！？！」
ばかでかいビニールが広げられていた。
「おじいが、わたしが寒いと言うもんだからこのビニールを窓全体に貼る計画を立てたんだよね。」
……また面白いことを。
「前からその計画はあったが、なにぶん面倒くさくて避けてきた。だが、(お姉さんの名前)も寒いと言うし、材料もあるし、ビニールを貼ってあげなければならない！と、おじい天からお告げがあったらしい。」
「なにそれ、面白すぎる…」
そんなわけで、メジャーとハサミを持って、あぁでもないこうでもないと言っている2人をもっと見ていたい気持ちを抑え、時間になり授業に戻ることへ。
授業中も外からざわざわ聞こえる。
あぁ、私もその面白いところを見たい！
と思いながら過ごしたのち、授業を早めに切り上げお姉さんの部屋へ直行。
様子を伺うと、お姉さん一人でテープを貼り、その上からビニールを貼り、そしてドライヤーで伸ばし綺麗にしている。
一方おじいはメジャー片手に、ほほん。とお姉さんを見守っている。
窓もあと一枠でおしまいとなり、またメジャーで測って切って…と、お姉さんがしている。
「ねえ、私が全部してるんだけど？？？」
「やっぱりそうですか？」
私、ニヤケが止まらない。
「おじいは、次の行程は大変だぞ！を繰り返しながら指示だけ出してくる。」
「ふふふ、監督じゃないですか。」
「いいけどさ！いいけどさ！！おじいは、正直君が器用で良かった！とか言ってきたけど！」
監督役のおじいと巻き込まれたのにせっせと働くお姉さんがあまりにも面白すぎて笑いが止まらない。
「私(私の名前)、見てみろ！」
挙句、おじいに呼ばれて行くと、ボードゲームやタロットを発掘したらしく見せられる。
凄いね！ときゃっきゃしている中、お姉さん一人で切り貼りを頑張る。
おじいは自由である。そして私も自由である。
「終わりました？」
「うん、なんとか！」
「頑張りましたね！心なしか暖かく感じる！」
「ちょっとだけね？思うよね。」
そこに、おじいも登場。
「おー！おつかれさま！よく出来ている！わたしはこの方法を思いついて数年。ついに今日やり遂げたぞ！！はっはっは！」
「…全部やったのわしじゃ」
恨めしそうにそう呟くお姉さんに、私はついに笑いが止まらなかった。
満足しておじいはお昼寝をし、お姉さんと私は二人でお疲れ様の紅茶を飲む。
「わたし、今日の何もしない監督おじいと、せっせと働くお姉さんのことを思い出すだけでしばらく笑って過ごせます。」
「おじい、しばらくしたらビキニで過ごせるくらい暖かくなるって言ってたよ。」
「ならんわ！」
「ほんと、そんなわけあるか！」
「あ〜楽しい。毎回私の知らないところでおじいの提案が始まって、お姉さんが巻き込まれて、ってパターンなんですけど。本当にやだ、面白い。」
「なんでなんだろう…。まあいいけどさ！元気でいてくれればそれでさ！」
本当に大好きなのだ。二人のやりとりが。
そして月曜日なのに日曜日感のあるなんて平和な一日に、今日も幸せいっぱい。
ただ、一言おじいに言いたいことがあるとするなら、
「「とりあえず、修理屋呼んでくれ」」
…心からの叫びである。
前回の初雪とは違い、沢山は積もらないがずっと雪が舞っている。そして風が強い。
さて、我がフラットでは2週間前からシャワーがお湯から水に変わり、またお湯になる、と言う大変迷惑な事態に陥っている。
ただ、おじいはお気に入りの修理屋さんがいるらしく、その人が来るまではすまないが直せない、とのこと。
お姉さんと私は、まあいいさ。慣れたさ。と、シャンプーとボディーソープを一気につけ洗い流す、と言う技を覚え、小学生男子もびっくりの早技でシャワーを終える日々を過ごしている。
そんな状況なので、多分ボイラーがやられている我が家は、部屋までめちゃくちゃに寒い。
天気が良い日はちゃんと暖かいのだが、外が寒い日に限って暖房が全然部屋を暖めてくれない。むしろ外と変わらないのではないか…？と思うほどだ。
そんなわけで、特に昨晩は寝たくても寒くて寝れないくらい、とにかく寒かった。
「おはようございます、寒い！！」
「もう、寒すぎて昨日湯たんぽ抱いて寝た。」
「私寝れなかったですよ昨日。」
「私も。おじいには一応さっき伝えたけど…」
「そうなんですね！ありがとうございます。」
「修理屋さんが来るときにシャワーと一緒に言ってくれるって言ってたけど、今寒いんだよね。」
「そう！！今直して。」
そんな会話をしながら朝食を済ます。
私はオンラインの授業があるので極寒の部屋に戻り授業を受ける。
すると、隣の部屋からおじいとお姉さんのざわざわした声が聞こえる。
なんだなんだ？と思いつつ、我慢。
ようやく休憩時間になりキッチンに向かうと、
「な、なにしてんの？！？！」
ばかでかいビニールが広げられていた。
「おじいが、わたしが寒いと言うもんだからこのビニールを窓全体に貼る計画を立てたんだよね。」
……また面白いことを。
「前からその計画はあったが、なにぶん面倒くさくて避けてきた。だが、(お姉さんの名前)も寒いと言うし、材料もあるし、ビニールを貼ってあげなければならない！と、おじい天からお告げがあったらしい。」
「なにそれ、面白すぎる…」
そんなわけで、メジャーとハサミを持って、あぁでもないこうでもないと言っている2人をもっと見ていたい気持ちを抑え、時間になり授業に戻ることへ。
授業中も外からざわざわ聞こえる。
あぁ、私もその面白いところを見たい！
と思いながら過ごしたのち、授業を早めに切り上げお姉さんの部屋へ直行。
様子を伺うと、お姉さん一人でテープを貼り、その上からビニールを貼り、そしてドライヤーで伸ばし綺麗にしている。
一方おじいはメジャー片手に、ほほん。とお姉さんを見守っている。
窓もあと一枠でおしまいとなり、またメジャーで測って切って…と、お姉さんがしている。
「ねえ、私が全部してるんだけど？？？」
「やっぱりそうですか？」
私、ニヤケが止まらない。
「おじいは、次の行程は大変だぞ！を繰り返しながら指示だけ出してくる。」
「ふふふ、監督じゃないですか。」
「いいけどさ！いいけどさ！！おじいは、正直君が器用で良かった！とか言ってきたけど！」
監督役のおじいと巻き込まれたのにせっせと働くお姉さんがあまりにも面白すぎて笑いが止まらない。
「私(私の名前)、見てみろ！」
挙句、おじいに呼ばれて行くと、ボードゲームやタロットを発掘したらしく見せられる。
凄いね！ときゃっきゃしている中、お姉さん一人で切り貼りを頑張る。
おじいは自由である。そして私も自由である。
「終わりました？」
「うん、なんとか！」
「頑張りましたね！心なしか暖かく感じる！」
「ちょっとだけね？思うよね。」
そこに、おじいも登場。
「おー！おつかれさま！よく出来ている！わたしはこの方法を思いついて数年。ついに今日やり遂げたぞ！！はっはっは！」
「…全部やったのわしじゃ」
恨めしそうにそう呟くお姉さんに、私はついに笑いが止まらなかった。
満足しておじいはお昼寝をし、お姉さんと私は二人でお疲れ様の紅茶を飲む。
「わたし、今日の何もしない監督おじいと、せっせと働くお姉さんのことを思い出すだけでしばらく笑って過ごせます。」
「おじい、しばらくしたらビキニで過ごせるくらい暖かくなるって言ってたよ。」
「ならんわ！」
「ほんと、そんなわけあるか！」
「あ〜楽しい。毎回私の知らないところでおじいの提案が始まって、お姉さんが巻き込まれて、ってパターンなんですけど。本当にやだ、面白い。」
「なんでなんだろう…。まあいいけどさ！元気でいてくれればそれでさ！」
本当に大好きなのだ。二人のやりとりが。
そして月曜日なのに日曜日感のあるなんて平和な一日に、今日も幸せいっぱい。
ただ、一言おじいに言いたいことがあるとするなら、
「「とりあえず、修理屋呼んでくれ」」
…心からの叫びである。
