よくやった!

文字数 653文字

おじいとお姉さんとわたしは毎週土曜日の朝、マーケットにでかける。
大きなパンと卵を買うのが目的。
「卵は何個いる?わたしは先にパンを買ってから卵に向かうから、先に卵を確保してくれ!」
毎週行くのに前日からこの確認がおじいによって行われる。なんてことないのに、ウキウキが伝わるのが嬉しい。
最近はそれに加えてわたしとお姉さんの中で、スイーツパンを買うのが密かな楽しみ。
今日も無事に買い物を済ませて、帰宅後紅茶とそのパンを飲みながらお姉さんとの時間を過ごす…予定だったが、おじいはなんだかご機嫌で、話がとまらない。
「なぜこの家にはベッドルームが3部屋だけなのか…」
「スヌーカーの台は実は有名人の家から来たんだ…」
など、とまならい。とまらない。
英国人だからか、それともおじいだからか、わからないが話すのが本当に好きなんだなあ。
そろそろお開きモードでお姉さんがトイレに行き、おじいも昼寝に向かおうとして、ふと
「今日は一つのことをやった!」
「ん?一つのこと?」
「そう。今日はマーケットに行ったぞ!よくやった!
おじい(自分の名前)よくやった!!!はっはっは」
「ふふふ、そうだね。」
そう笑いながら部屋に戻るおじい。

「ねえ、わたしがトイレに行っている間、おじいなんであんな笑ってたの?」
「今日はマーケットに行ったから、よくやった!と自分の頭を撫でて褒めてました。」
「ははは、そうなんだ!」
「私たちもあの精神、見習わなきゃですね。」
「うん、今日はマーケット行ったから、自分を褒めてあげないと。」
おじいと暮らしていると心が豊かになる。
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