第25話
文字数 1,867文字
振り返ると女が居た。
朝から能天気ににやけてやがる。何が楽しいんだか・・・考えることも出来ないのか・・
「ひ〜らぎさ〜ん どうしたんですかぁ〜?なんだか不機嫌そうですけど?
何か嫌な事でもあったんですか〜?」
あぁ、おまえだよ。疫病神田中ぁぁ・・・。
おまえの存在そのものが諸悪の根源だ。
「柊さ・・あっ!さっきさかさーーーん!!おはようございます!!」
「あぁ、田中さんおはようございます!それに柊も・・・今日も一緒だったんですか?気が合うんですねぇ」
あぁ、向坂さん違うんだ、俺はこの女・・疫病神に取り憑かれてるんだ。
向坂さんにも誤解されて、最悪だ・・・
「そうなんですよ〜向坂さん!それにしても
なぁ〜んかいつも柊さんって難しい顔してますよね〜?何か難しい案件ばかり投げられてるんじゃないですか〜?向坂さん!!柊さんに手厳しくないですか〜?」
はぁ?
おまえの存在そのものが悪なんだよ!
向坂さんに失礼な事を言うな・・・まるで俺がリークしてるみたいじゃないか。
俺は純粋に向坂さんがすごいと思っているのに、余計な感想言いやがって、お前の感想じゃねーか。
俺はそんなこと一言も思ったことはない・・・。
印象操作しやがって、内部の人間でもないのにごちゃごちゃとうるさいな。
なんだ?スパイなのか?
それとも俺を陥れるためなのか?・・・罠なのか?!
良い加減にしてくれ・・・。
呆れ果てて、言い返す言葉もなく、口を詰むんだ。
「田中さん、柊はこうみえても出来る奴なんですよ。だからみんなから頼られてるんです。」
「へぇ〜すごいんですね!柊さんって。」
まぁ、向坂さん上手いこと言うよなぁ。
そう言えば、波風立たないけど、俺は単に良いように使われているだけ・・・
嫌だと思っていても、何を言っても現状が変わるわけでもない・・・
もし仮にそれを言葉にして伝えたとしても、ただ「悪態をつかれた」と頼んできた立場のくせに被害者ぶって被害者マウントをとってきやがる。
俺が何をしたっていうんだ・・・。
能力が低いのはお前らの責任だろう?
抱えてる案件が多くて手が回らないと断ったとしても、どうせ、俺のせいにして俺一人が悪者になって、みんなの吐口になるだけで
俺にとって何一つ良いことはない。
それなら嫌でも黙って受けるしかない。それだけだ。
別に出来る俺だから仕事が回ってくるんじゃねぇ。
面倒なことがあつまってくるだけの処理場だ。
もし、出来るからという理由なら、向坂さんに仕事が山積しているはずだ・・・。
あぁ、いつも嫌な役回りだ。
何をしても報われない。評価もされない。
こんなことは、日常茶飯事だ。
あの頃からずっと変わらない。何も変わらない。辟易する。
どうせ報われる努力なんてないんだ。
生まれ持ってはずれくじなんだから。
所詮、確率論で、後天的にどうするかなんて出来ない。
諦めるしかないんだ。
無駄な努力で疲弊するよりも、諦めて最低限で、省エネで仕事を回せば良いだけだ。
無駄に闘志を燃やしてもなんの得にもならない。
ただ言葉を失ってそこにいる向坂さんと女の会話をぼーっと眺めていた。
変わることのないカースト。
人間なんて、生まれてきた両親・環境だけじゃなく、何をしても生まれ持った枠から脱することはできないんだ。
あの頃の俺がトモイに対して抱いた念も。
何をやっても無駄だった。
努力なんて、報われねぇ。
期待するだけどうせ無駄なんだ。
自分の身の丈を知り
その自分という枠の範囲で、自分の負担を軽減してストレスを避けるくらいしか
俺ら人間にとっての選択肢はないんだ。
下剋上?無理だ・・・。
そんなの何度も試した。
全て無駄だった。
初めから決められた世界でどう足掻いても変わらねぇ。
「それで、柊と組んでもらおうと思っているんですよ、田中さん!」
向坂さんの言葉に耳を疑った・・・・。
ちょっと待て、なんでそんなことになってるんだ?!
俺は聞いちゃいねぇ・・・。
「はぁぁ〜?何言ってるんすか?向坂さん!社外の人間と自分がなんで?!」
「田中さん、出向になったんだよ、うちに。それでこれから田中さんのプロジェクトを進めていくから。
エンジニアの柊には、そもそもプロジェクトに関わってもらう予定だったから、すでに田中さんと意気投合しているようで、助かったよ。すぐに本題に入れる。」
はぁ〜?嘘だろ?
なんで・・・こんな辛い日々に・・・ぶっ込んできやがって・・・なんなんだよ・・・
「柊さん、今日から御社へ出向になりました!田中理奈です。あらためまして、よろしくお願いします!」
あぁ・・・俺の人生って、なんなんだ・・・運の尽き・・・
神が居るなら呪い殺してやる。
朝から能天気ににやけてやがる。何が楽しいんだか・・・考えることも出来ないのか・・
「ひ〜らぎさ〜ん どうしたんですかぁ〜?なんだか不機嫌そうですけど?
何か嫌な事でもあったんですか〜?」
あぁ、おまえだよ。疫病神田中ぁぁ・・・。
おまえの存在そのものが諸悪の根源だ。
「柊さ・・あっ!さっきさかさーーーん!!おはようございます!!」
「あぁ、田中さんおはようございます!それに柊も・・・今日も一緒だったんですか?気が合うんですねぇ」
あぁ、向坂さん違うんだ、俺はこの女・・疫病神に取り憑かれてるんだ。
向坂さんにも誤解されて、最悪だ・・・
「そうなんですよ〜向坂さん!それにしても
なぁ〜んかいつも柊さんって難しい顔してますよね〜?何か難しい案件ばかり投げられてるんじゃないですか〜?向坂さん!!柊さんに手厳しくないですか〜?」
はぁ?
おまえの存在そのものが悪なんだよ!
向坂さんに失礼な事を言うな・・・まるで俺がリークしてるみたいじゃないか。
俺は純粋に向坂さんがすごいと思っているのに、余計な感想言いやがって、お前の感想じゃねーか。
俺はそんなこと一言も思ったことはない・・・。
印象操作しやがって、内部の人間でもないのにごちゃごちゃとうるさいな。
なんだ?スパイなのか?
それとも俺を陥れるためなのか?・・・罠なのか?!
良い加減にしてくれ・・・。
呆れ果てて、言い返す言葉もなく、口を詰むんだ。
「田中さん、柊はこうみえても出来る奴なんですよ。だからみんなから頼られてるんです。」
「へぇ〜すごいんですね!柊さんって。」
まぁ、向坂さん上手いこと言うよなぁ。
そう言えば、波風立たないけど、俺は単に良いように使われているだけ・・・
嫌だと思っていても、何を言っても現状が変わるわけでもない・・・
もし仮にそれを言葉にして伝えたとしても、ただ「悪態をつかれた」と頼んできた立場のくせに被害者ぶって被害者マウントをとってきやがる。
俺が何をしたっていうんだ・・・。
能力が低いのはお前らの責任だろう?
抱えてる案件が多くて手が回らないと断ったとしても、どうせ、俺のせいにして俺一人が悪者になって、みんなの吐口になるだけで
俺にとって何一つ良いことはない。
それなら嫌でも黙って受けるしかない。それだけだ。
別に出来る俺だから仕事が回ってくるんじゃねぇ。
面倒なことがあつまってくるだけの処理場だ。
もし、出来るからという理由なら、向坂さんに仕事が山積しているはずだ・・・。
あぁ、いつも嫌な役回りだ。
何をしても報われない。評価もされない。
こんなことは、日常茶飯事だ。
あの頃からずっと変わらない。何も変わらない。辟易する。
どうせ報われる努力なんてないんだ。
生まれ持ってはずれくじなんだから。
所詮、確率論で、後天的にどうするかなんて出来ない。
諦めるしかないんだ。
無駄な努力で疲弊するよりも、諦めて最低限で、省エネで仕事を回せば良いだけだ。
無駄に闘志を燃やしてもなんの得にもならない。
ただ言葉を失ってそこにいる向坂さんと女の会話をぼーっと眺めていた。
変わることのないカースト。
人間なんて、生まれてきた両親・環境だけじゃなく、何をしても生まれ持った枠から脱することはできないんだ。
あの頃の俺がトモイに対して抱いた念も。
何をやっても無駄だった。
努力なんて、報われねぇ。
期待するだけどうせ無駄なんだ。
自分の身の丈を知り
その自分という枠の範囲で、自分の負担を軽減してストレスを避けるくらいしか
俺ら人間にとっての選択肢はないんだ。
下剋上?無理だ・・・。
そんなの何度も試した。
全て無駄だった。
初めから決められた世界でどう足掻いても変わらねぇ。
「それで、柊と組んでもらおうと思っているんですよ、田中さん!」
向坂さんの言葉に耳を疑った・・・・。
ちょっと待て、なんでそんなことになってるんだ?!
俺は聞いちゃいねぇ・・・。
「はぁぁ〜?何言ってるんすか?向坂さん!社外の人間と自分がなんで?!」
「田中さん、出向になったんだよ、うちに。それでこれから田中さんのプロジェクトを進めていくから。
エンジニアの柊には、そもそもプロジェクトに関わってもらう予定だったから、すでに田中さんと意気投合しているようで、助かったよ。すぐに本題に入れる。」
はぁ〜?嘘だろ?
なんで・・・こんな辛い日々に・・・ぶっ込んできやがって・・・なんなんだよ・・・
「柊さん、今日から御社へ出向になりました!田中理奈です。あらためまして、よろしくお願いします!」
あぁ・・・俺の人生って、なんなんだ・・・運の尽き・・・
神が居るなら呪い殺してやる。