第5話 ガチ恋
文字数 656文字
「……ってことなんだよなー。」
「手強すぎだろ!」
あの後何回か菊川さえとデートした。なのに、まだ落とせてない。俺の為に紹介してくれたこいつにも、何だか申し訳ない。なぜって?あいつのことだから……。
「ごめんな。何か俺の選んだ人が悪かったのかもな。お前の100人目に相応しいと思ったんだけど、ちょっと難し過ぎたか?」
嫌味に聞こえるかもしれないが、それは違う。こいつのちゃんとした優しさだ。俺の大切な友達で、詐欺師。稼ぎも中々。唯一の同期だ。こういう業界では代々仲間なんていない。俺だって一応組織には入ってるが、上司の顔も知らねーし、いつも勝手に女を騙してる。騙しとった金の一部を上に渡してるだけ。
「いや、俺の力不足だ。お前の為にもぜってー落としてみせるから待ってろ!」
「おう!」
絶対落とす。胸に刻んだ。
「なあ、話聞いてて思ったんだけどさー。」
顔が少し変えられた。何か真剣な話をするときの顔に。
「ん?」
「いつもよりも身が入ってるのは、100人目だからか?それとも……。」
いつもより身が入ってる?そんなつもり無いけどな。
「お前、本気で菊川さえのこと気になってねーか?」
「……は?」
本気で気になってる?それって……。
「ガチ恋ってこと?」
「おう。」
「お前ばっかじゃねーの。」
ガチ恋なんてするわけ無い。菊川さえは金目当て。ってか、菊川さえだけじゃなく、俺はガチで恋したこと無い。仕事でしか誰かに恋はしない。
「俺にとって恋は仕事だ。」
「そうだよな。ごめんごめん。頑張れよ!」
頑張るに決まってる。あいつを落として金を奪うまでは……。
「手強すぎだろ!」
あの後何回か菊川さえとデートした。なのに、まだ落とせてない。俺の為に紹介してくれたこいつにも、何だか申し訳ない。なぜって?あいつのことだから……。
「ごめんな。何か俺の選んだ人が悪かったのかもな。お前の100人目に相応しいと思ったんだけど、ちょっと難し過ぎたか?」
嫌味に聞こえるかもしれないが、それは違う。こいつのちゃんとした優しさだ。俺の大切な友達で、詐欺師。稼ぎも中々。唯一の同期だ。こういう業界では代々仲間なんていない。俺だって一応組織には入ってるが、上司の顔も知らねーし、いつも勝手に女を騙してる。騙しとった金の一部を上に渡してるだけ。
「いや、俺の力不足だ。お前の為にもぜってー落としてみせるから待ってろ!」
「おう!」
絶対落とす。胸に刻んだ。
「なあ、話聞いてて思ったんだけどさー。」
顔が少し変えられた。何か真剣な話をするときの顔に。
「ん?」
「いつもよりも身が入ってるのは、100人目だからか?それとも……。」
いつもより身が入ってる?そんなつもり無いけどな。
「お前、本気で菊川さえのこと気になってねーか?」
「……は?」
本気で気になってる?それって……。
「ガチ恋ってこと?」
「おう。」
「お前ばっかじゃねーの。」
ガチ恋なんてするわけ無い。菊川さえは金目当て。ってか、菊川さえだけじゃなく、俺はガチで恋したこと無い。仕事でしか誰かに恋はしない。
「俺にとって恋は仕事だ。」
「そうだよな。ごめんごめん。頑張れよ!」
頑張るに決まってる。あいつを落として金を奪うまでは……。