第8話 俺C

文字数 545文字

映画館を後にした俺は、一人家で夜ご飯。女を落とすために、夜ご飯に誘ったり、家に呼んだりするのは良くあることだ。だから俺は今日、さえを家に招待するつもりでいた。なのに……。
「今日は少し寄るところがあるので一人で帰ります。」
一緒に帰れなかった。当然家に招待なんて無理だ。あー!いつも作戦がうまくいかない!!何でさえはこんなにも俺を裏切るんだ!?一人の時はテレビ見たりしている俺でも、今日は考えるしかない!ということで、脳内会議。帰りにスーパーで買ったお弁当食べながら。
俺A「どーやって落とすべきか……。結構策は出したぞ。」
俺B「もういっそのこと付き合っちゃえばいいんじゃないの?」
俺C「バカ!そんなの絶対ダメだ!」
俺A「策略として告白しちまうってのもあるぞ。」
俺C「そ、そんなの……。」
俺B「何?あんだけ本気で好きにはならない!って言い張ったくせに。」
俺A「どーなんだ?好きなのか?」
俺C「それは……。」
策略を出す真面目な俺Aと、楽観的な俺B、最後が本心の俺C。脳内会議で分かったことは一つ。それは
俺C「真面目にさ、」
俺C「好きかもしれん。」
結構頑張った。好きにならないように。でもなっちまったもんはしょーがない。本気でさえを落として、この業界から身を引くしかない。俺の決意が固まった夜だった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

菊川さえ

トールトのスパイ。竹下翔を殺すよう命令される。

完璧主義で、何でもできる。恋愛に興味が無い。

竹下翔

詐欺師。菊川さえを騙そうとする。

明るい性格で、誰とでも仲良くできる。

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み