第3話 水族館でのモテテク

文字数 633文字

「すみません、お待たせしました。」
「今来たとこですよ!」
まさか!1時間前には着いてた!どれだけ早く来られても、俺が先にいる!ってのが大事なんだ!この水族館デート!菊川さえを落とすぞ~!
「っていうか、俺が楽しみすぎて早く来すぎました笑。」
はい!笑顔!無邪気な笑顔!!かっこいいからのきゅん!ギャップ萌えってやつだろ?女は好きだろ?
「そうですか。」
……。次こそ!
「あ!ペンギンショーがやるみたいですよ!これ行きませんか?」
「いいですね。」
水族館入ってすぐの掲示板を指差す。もちろん、ネットでペンギンショーの時間は下調べ済み。
「さあ行きましょう。」
「はい。」
エスコートのつもりの手は、気づかれずに隠した。

「面白かったね~。」
「ですね。」
敬語抜こ?って言わなきゃ抜けないのか?この子は。
「回ろうか。」
「回りましょうか。」
色んな魚を見た。俺だってモテテクを使いこなした。暗いクラゲの部屋では、暗闇に紛れて手にちょっとだけ触れてみたり……。
「あ、すみません。」「う、うん。」
そこは、声を出さずにそのまま手繋ぐ流れだろ!!
海水魚コーナーでは、水の洞窟のようになってる中で、魚を見ながら、「あ!あそこの魚綺麗だね!」って体を寄せてこんなことを言ってみたり……。
「香水つけてる?いい香り。」
「あ、はい。」
「可愛いね。」
締めくくりとして、頭をポンポン!ってしたのに……。
え?なにその顔!?恥ずかしそーにもしないし、何考えてるんだよ!
あー!疲れた~!!!この女一筋縄では行かなさすぎる!!
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登場人物紹介

菊川さえ

トールトのスパイ。竹下翔を殺すよう命令される。

完璧主義で、何でもできる。恋愛に興味が無い。

竹下翔

詐欺師。菊川さえを騙そうとする。

明るい性格で、誰とでも仲良くできる。

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