目次

射水呉羽（いみず　くれは）４２歳　独身。女性
　　　　　日光市役所　厚生課地域福祉係に勤める　職員。
　　　　　築１３年の持ち家に　一人で住んでいる。

奈呉　柊　(なご　ひいらぎ）４１歳　独身　男性
　　　　　大手ゼネコン勤務　建築士
　　　　　クレハの高校の同級生　優等生気質　出世には興味がない　　

櫛田柚月（くしだ　ゆずき）１５歳　中学３年生　男性
　　　　　宇都宮市内　付属高校に通う
　　　　　柊の母親は　祖父の妹

櫛田みかん（くしだ　みかん）　８歳　小学校３年生　女性
　　　　　宇都宮市内　公立小学校に通う　


10月中旬　突然の大雨により　市内のあちこちで河川の増水・氾濫　道路の崩落　低い土地の浸水、が起きた。
特に　甚大な被害を及ぼしたのは　粟野地方大芦川沿いの三峰山の土砂崩れだった。
深夜川の決壊に伴い　ゴーという音と共に土砂崩れが発生。現在　二家族　七名が行方不明になっている。

クレハ他役所の職員は　粟野地区のコミュニティーセンター　公民館に臨時避難所を設置。
その中に　奈呉柊が二人の子供を連れて公民館の端に座っている姿があった。
櫛田柚月　みかんの兄妹だった。

二人の両親は　父の実家である草久の家に　祖父母を避難させようと向かった際、土砂崩れに巻き込まれたとみられる。

事故が起きて３日目　道路まで流れて来た土砂を重機を使って取り除いているが、行方不明者の７名はいまだ見つかっていない。