第23話
文字数 561文字
一颯がバスタオル一枚のまま近づいてきて、床にお尻を着けたままの音色の目線に顔を落とすと、ニュッと息が届きそうなほどに顔を寄せられてしまい、再び鼻血の噴出警戒レベルが最大に上がる。
「な、サザエさんでなく、アワビさんだと、急に下品にならない?」
一颯は唐突に意味不明なことを言葉にした。歯も磨いてきたのだろうか? 吹きかかった息はミントのような歯磨き粉の香りがした。
「い……なにをおっしゃってるのか、わ、分かりません……」
「なんで君を襲わなかったのか? って質問だろ?」
まるで『女性がそんなこと口にするもんじゃないよ、ましてや男に質問するなんて……』彼の心の声がそう言っているよう……そんな一颯の呆れた仕草。
近づけていた顔を離したかと思うと、今度は耳元で囁いた。
「俺、さ……実は包茎なの……」
耳に掛かる息と、男の人から飛び出したその卑猥なワードが音色の鼓膜の奥深く、脳ミソに直接届いて脳を揺らした。それは直感を促すと言われている側だ。
『包茎』……『包茎って何だっけ?』乙女の脳内には次々にキノコが生えてくる。
頭の中のお花 畑が満開になったのなら、開いた口からよだれが垂れてきた。追い打ちをかけるように今度は反対 の耳から左脳を揺らす。
「『魚』編に、『包』と書いて『鮑 』。でも俺のは包んであるのにチンコ……おかしくない?」
「な、サザエさんでなく、アワビさんだと、急に下品にならない?」
一颯は唐突に意味不明なことを言葉にした。歯も磨いてきたのだろうか? 吹きかかった息はミントのような歯磨き粉の香りがした。
「い……なにをおっしゃってるのか、わ、分かりません……」
「なんで君を襲わなかったのか? って質問だろ?」
まるで『女性がそんなこと口にするもんじゃないよ、ましてや男に質問するなんて……』彼の心の声がそう言っているよう……そんな一颯の呆れた仕草。
近づけていた顔を離したかと思うと、今度は耳元で囁いた。
「俺、さ……実は包茎なの……」
耳に掛かる息と、男の人から飛び出したその卑猥なワードが音色の鼓膜の奥深く、脳ミソに直接届いて脳を揺らした。それは直感を促すと言われている側だ。
『包茎』……『包茎って何だっけ?』乙女の脳内には次々にキノコが生えてくる。
頭の中の
「『魚』編に、『包』と書いて『