苛々の町から

文字数 269文字

苛々の町で
軽くキレる僕は
大して目立つこともなく
普通の人間として
暮らしている

みんな
もっとキレるから

どうして
こうも
苛立つことばかりなのか

生まれた時代が
あるいは
生まれた環境が
悪かったのかもしれない

軽くキレる僕は
部屋に戻ると
溜め込んだ怒りが
爆発するから
近付かない方がいい

壁は
穴だらけだ

何が
あっても
動じない

そんな人間になりたい

苛々の町から
一日も早く
出て行きたい

ずっと
見張られているらしい

何が
あっても
動じない

そんな人間になったら
違う町に
連れて行ってくれる
という専らの噂だ

多くは
どんどん悪化するらしいが
僕は何とか保っている

壁の穴を
塞ぐことから
始めようか
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